英単語の中に含まれる「ng」の発音ですが、これ、実は2通りの発音の仕方があるのです。

1. hunger
2. hanger

この2つの単語の真ん中にある「ng」は、同じ発音ではありません。

 

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通常、語尾に「ng」があった場合、その発音は[ŋ]となります。

例えば、「hung」という単語の発音記号は[hʌ́ŋ]ですし、「hang」という単語の発音記号は[hǽŋ]となります。

どちらも「語尾」に「ng」があるので、発音記号では同じ[ŋ]となるのです。

ところが、これらの単語の語尾に「ing」や「er」などがついて派生語となった場合には異なる発音に変わります。

形容詞や副詞が「比較級」となった場合に、語尾に「er」がついた時には、「ng」の部分の発音は[ŋɡ]となります。

例えば、「strong」という言葉。

これは「強い」という意味の「形容詞」ですが、これの発音は[strɔ́ːŋ]です。

しかし、これが「比較級」となった場合には、[strɔ́ːŋɡər]となり、[ɡ]の発音が入るのです。

ところが、「動詞」の語尾に「-er」がついた場合は異なります。

「動詞」の語尾に「-er」がつくと、「その動作をする人(モノ)」という意味になります。

例えば、「sing」は「歌う」という意味の動詞ですが、これの語尾に「-er」がついて「singer」となると、それは「歌手」という意味になりますね。

この「singer」という単語は、発音記号では[síŋər]となり、[ɡ]の音が入ってこないのです。

このように、元々語尾が「ng」で終わる言葉であったとしても、「動詞の派生語」と「形容詞・副詞の派生語」では、「ng」の部分の発音が異なるのです。

 

さらに、派生語ではなく、初めから単語の「途中」に「ng」のスペルがある時は、[ŋɡ]という発音になります。

例えば、「English」という言葉の真ん中にある「ng」は、[ŋɡ]という発音になります。

 

まとめると、次のようになります。

1. 単語の「最後」にある「ng」は[ŋ]という発音になり、[ɡ]はつかない。

2. もともと単語の「途中」にある「ng」は[ŋɡ]という発音になり、[ɡ]がつく。

3. 語尾が「ng」で終わる語の派生語の場合、元々が「動詞」ならば[ŋ]という発音になり、[ɡ]はつかないが、元々が「形容詞・副詞」ならば[ŋɡ]という発音になり、[ɡ]がつく。

というわけで、冒頭で挙げた例は次のようになります。

1. hunger → もともと「飢え」という意味の1つの言葉の途中にあるので[ŋɡ]という発音になり、[ɡ]がつく。
2. hanger → もともと「hang」という動詞の派生語なので、[ŋ]という発音になり、[ɡ]はつかない。

まあ、こういう微妙な違いというものは一般の英語学習者には全く不要と思われます。

少しでもネイティブの音に近づきたいというマニアックな人は是非参考にしてください(笑)