<前回の続き>
ちょっと間が空いてしまいました。
今日は話を最初に戻したいと思います。
そもそも、この話は「英語は知識だけ詰め込めば良いのではない、日々のトレーニングによってできるようになるものだ!」という主張から始まったのですね。
「知識がある」ということと「実践で使える」ということは、全く次元が異なります。
「知識」があっても「実践」で役に立たないということは、英語に限らず、どの分野においても起こり得ます。
「知識」というものは、何かを実践する際の「助け」にはなるでしょう。
しかし「知識」が一番先頭に立つわけではないはずです。
一番先頭には「何かを実践したい」という思いがあり、そのために「知識が必要だ」となるのが本来の順番ではないでしょうか。
ところが、この順序が逆転したまま、先に「知識を詰め込もう」としてしまう人がいます。
しかも、「知識を一度入れてしまえば良い」と思っている人も多いのです。
文法の知識、発音の知識、単語の知識。
確かに、どれも大切です。
しかし、「知識」というものは、「実践で使う」ということをしない限り、「一時的な記憶のストック」で終わってしまいます。
そのうち、きれいさっぱり忘れてしまうことでしょう。
「英語」を身につけたいなら、当然「知識」も必要ですが、それと同時に「実践で使う」ということを繰り返さなくてはなりません。
「実践で使う」ということを繰り返すうちに、最初は「一時的な記憶のストック」だった知識も、「なかなか忘れない深い記憶」へと変わっていくのです。
英語以外ならば、例えば、資格を取得した人なんかも同じです。
司法試験に合格したからと言って、それがすなわち「優秀な弁護士である」ということにはなりません。
司法試験に合格できるだけの「知識」を持って、実際に弁護士としての業務をたくさんこなし、「実践」を積み重ねていくうちに、学んだ知識が自分の中で固まっていくのです。
司法試験に合格した後で実際の業務につかないまま時が経てば、当然のことながら、合格時の「知識」というものはだんだんと薄れていくはずです。
あるいは、車の運転免許などもそうですね。
車を運転する「知識」があるだけでは免許は取れません。
運転の「技能」も一緒に学ぶ必要があります。
しかし「知識」も「技能」も、免許取得後に実際に車を運転するということを実践しないでいれば、少しずつ失われていくことでしょう。
10年も経てば、すっかり「ペーパードライバー」となってしまい、もはや運転などできなくなってしまいます。
つまり、「知識」にしても「技能」にしても、「一度身につけば良い」というものではないのです。
一度身につけた後で、しつこく、何度も、日常的に毎日繰り返してはじめて「実践で使える」ようになっていくのです。
さて、英語を身につけるには、以下の「知識」と「トレーニング」が必要だ、ということを最初にご紹介しました。(話の発端はここからでした。)
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1. 発音と文字に関する理解と知識
2. 正しく発音するためのトレーニング
3. 文法に関する理解と知識
4. 単語やイディオムに関する知識
5. 文法、単語、イディオムを使って、
分かり易い英文を作るトレーニング(筆記での英作文)
6. 英作文と同時に正しく発音するトレーニング
(口頭での英作文=英会話)
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このうち、「1~4」は既にご紹介しました。
「1」と「2」は「音声学習」と言えるでしょう。
「3」と「4」は「文法」や「語彙」に関するお勉強です。
そして「5」と「6」はそれぞれ「英語で表現する(アウトプットする)」という最終段階のトレーニングです。
「1~4」は、基本の「知識」と「技能」です。
これらを「実践で使える」ようにするためには、「5」と「6」のトレーニングが欠かせません。
というわけで、次回は「5. 英作文」のやり方についてご紹介します。
どうぞお楽しみに!
<続く>
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