<前回の続き>
「英語ができるようになる」というのは「英語で文を作ることができる」ということだと前回書きました。
だから「英文を作り出す」という練習をたくさんしなくては、英語ができるようにはなりません。
英語ができるようなった人は、必ず「日々のトレーニング」をしています。
それは、私たちが母国語を日々トレーニングしているのと同じです。
私たちは、毎日日本語の文字を読み、書き、さらに「日本語の音声」だけのやりとりでコミュニケーションをとっています。
そういう日々のトレーニングをしなくなると、いくら母国語でも「出にくくなる」という症状が現れます。
実際、私がアメリカに10ヵ月滞在した後にその症状が出ました。
もちろん、母国語ですから「全然出ない」ということはありませんが、母国語なのに「どうやって表現すればいいんだっけ?」と詰まってしまうことが、帰国直後にはよくありました。
外国語も同じで、「日々のトレーニング」をしているからこそ、いつでも自在に使えるようになるのです。
英語ができるようになるためのトレーニングは、以下の6つでしたね。
1. 発音と文字に関する理解と知識
2. 正しく発音するためのトレーニング
3. 文法に関する理解と知識
4. 単語やイディオムに関する知識
5. 文法、単語、イディオムを使って、
分かり易い英文を作るトレーニング(筆記での英作文)
6. 英作文と同時に正しく発音するトレーニング
(口頭での英作文=英会話)
今日は、最後の「6」について見てみましょう。
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「英語が話せる」というのは、「口頭で英作文をすることができる」ということです。
前回の「5」のように、書面で「英文が書ける」ということだけでなく、それに「発音の技術」が必要となります。
いくら「正しい英文が書ける」と言っても、それを伝える際の「発音」がでたらめでは通じないでしょう。
逆に、いくら「正しくきれいな発音」を身につけていたとしても、英文そのものが正しくなければ伝わりません。
つまり、「英作文能力+発音の技術」が合わさって、ようやく「英語が話せる」ということになるのです。
「英作文の能力」については、上記の「3」「4」「5」が当てはまります。
そして「発音の技術」については「1」と「2」が当てはまります。
要するに、今回の「6」は、これまでの学習やトレーニングの「総まとめ」ということになるのです。
口頭での英作文を実施するには、「相手がいる場合」と「相手がいない場合」の2通りに分けると良いでしょう。
「相手がいる場合」というのは、ずばりそのまま「英会話」ということになります。
ネイティブや、あるいは同じ日本人同士でもいいので、とにかく「英語で会話する」ということをたくさん練習するのです。
ところが、「相手が必要」ということは、「毎日」やるのが困難です。
「好きな時に、いつでも、どこでも」というわけにいかないからです。
そこで「相手がいなくてもやれる方法」を常に考えなくてはなりません。
その筆頭は、「独り言を言う」というものです。
当たり前ですが、「独り言を言う」のは一人でやれるので、「好きな時に、いつでも、どこでも」やれます。つまり「毎日」やれるのです。
英語に限らず、何かを深く身につけた人というのは、たいていそのことを「毎日繰り返した」という時期を経験しているものです。
ピアノを身につけた人ならば、きっと「毎日ピアノを練習した」という日々が過去にあったはず。
車の運転が上手な人は、きっと「毎日車を運転した」という日々が過去にあったはず。
「毎日やる」ということは、人の成長にとって大切なことなんですね。
英語も同じで、「毎日やる」ということがとても大切です。
上記の「1~5」までの基本を押さえたら、あるいは基本を押さえながら同時に、「6」の口頭英作文を毎日やると良いでしょう。
私なんかは、独り言はほとんど英語と言っても良いくらいです。
周りに誰もいない時、誰にも迷惑がかからないような音量で、その時の心情や状況を声に出して英語にして言ってみるのです。
私はそういう生活を、そう、もうかれこれ20年以上は続けています。
私の口から英語の文が音になって出ない日はないのです。
今や私は自分の教室を持って英語を教えていますし、時には国際会議の仕事などで英語を使うこともあります。
ですが、こういう仕事を始めるずっと前から、学生時代の時から、私は毎日「口頭で英文を作る」ということを繰り返していたのです。
時々「英語が話せるなんてうらやましい」と人に言われることもありますが、私の中では「そりゃあ、毎日やっているからね、当たり前でしょ」と思うわけです。
そして、「英語が話せたらいいなぁ」と言っている人ほど、「毎日英語のトレーニングをする」ということを実践したこともないだろうし、そんなことをしようだなんて夢にも思ったこともないのだろうと思います。
「毎日やれば、必ず上達する」という、本当に当たり前のことをやるだけなのです。
「短期間にこれだけやれば良い」という嘘だらけの広告にひっかかってお金を無駄にするのはもうやめましょう。
英語ができるようになりたければ、「一時的なお勉強」ではなく、「日々のトレーニング」をやり続けていく覚悟が必要なのだと思います。
<おしまい>
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