<前回の続き>
前回は、前々回に引き続き、「断ることができず、かつ、緊急に対応しなくてはならない」というようなイレギュラーな仕事が入った場合にどうすべきかについて、さらなる考察をしてみました。
今回は「イレギュラーな仕事が入らないようにする予防策」について考えてみたいと思います。
イレギュラーな仕事は、通常「他人」から運ばれてきます。
社内の同僚だったり、上司だったり、お客様だったり。
言うなれば、いくら自分が悪くなく、清く正しく仕事をこなしていても、「他人」が遠慮なく自分に「急な仕事」を持って来るような状況にいる限り、イレギュラーな仕事は減らない、と言えます。
そこで、イレギュラーな仕事を持ってきそうな人達に「牽制(けんせい)」をする必要があります。
たとえば、いつも遠慮なく、突然「これ、今から1時間以内にやって」と気軽に仕事を押しつけてくる上司がいたとします。
あるいは「明日までに納品よろしく」などと無理難題をつきつけて来るお客様がいたとします。
こういう「遠慮なし」の人達は、「言えばやってくれるはずだ」という甘い考えを持っています。
もちろん、それは「自分への信頼」であったり、「自分を頼りにしてくれている」という証拠なのかもしれません。
それ自体は喜ばしいことですし、仕事における自分の存在意義を見出すには必要なことと言えるでしょう。
しかし、「上司なんだから」「客なんだから」という理由だけで、こちらの時間の使い方を無視して無理な注文をつけて良い、ということにはなりません。
とは言え、「上司だからって無理言うな」とか「客だからって無茶苦茶だ」などと反論しようものなら、相手はさらに猛烈な勢いで無理を言ってくるかもしれません。
上司やお客様とケンカしてはいけませんね(笑)
そこで、イレギュラーな仕事を押しつけてきそうな人に対しては、日頃から「~の依頼でしたら、前日の××時までにお願いします」のように、仕事を受け付ける「期限」を伝えておくと良いのです。
これは「営業職」の人もよく使う手です。
「○○時までにお申し付け頂ければ、その日のうちに対応できます」というように伝えておけば、先方もその辺りを考えて動くようになります。
また、仮に無理を言ってきた時でも、「以前よりお伝えしておりますように、○○時を過ぎてご注文頂いても対応いたしかねます。どうかご了承下さい。」と断ることができます。
社内での立ち振る舞いも同様です。
特に、アシスタント的な立場の職についている人は、上司から仕事を割り振られるのがメインの仕事と言えるでしょう。
しかし、朝からスケジュールを立てて行動しているところに、「今日中にこれやって」や「1時間以内にこれやって」とカンタンに言われてしまっては、スケジュールどころの話ではありません。
そういう時は、自分のスケジュールを他人にも見えるような形にしておいて、
「今日は、これとこれとこれをやる予定になっています。これらよりも優先させてそのお仕事をやるべきでしょうか?」
と上司に伝えるというのも良いかもしれません。
そしてその上で、
「もし可能でしたら、前日の17時までにお仕事のご要望をお伝え頂ければ、翌日には対応するのようにいたします。」や、
「その日の午前中までにおっしゃって頂ければ、午後の時間でなんとか調整するようにします。」
のように伝えておくのです。
このように、「遠慮なし」の人達には、常に期限を設けて「牽制」をしておく、というのが効果的です。
「締切」があるということを周囲に伝えておくと、周りの人達もまた、「締切」を意識して仕事をするようになります。
つまり、自分への仕事の依頼に「締切」があると伝えることは、自分にとって有益なだけでなく、相手にとっても時間管理を意識させるという効果もあると言えます。
さあ、いかがでしたでしょうか。
イレギュラーな仕事というのは、本当にやっかいなものですが、イレギュラーな仕事をこなしてこそ「プロ」と言えるかもしれません。
イレギュラーが発生しても対応できるのは、日頃から時間に「ゆとり」を持って仕事をしている人だけです。
就業時間が終了したら、絶対に残業はしない、という目標を立てながら日々生活していれば、イレギュラーな仕事にもきっと対応していけるはずです。
さて、次回は、とうとう私の苦手な部分について触れなくてはなりません。
それは・・・
また次回をお楽しみに!