<前回の続き>

(「文法学習は必要か?」のこれまでの記事一覧はこちら。)

前回は「そもそも文法とは何か?」という観点から考えてみました。

英文を作るには、「単語」をテキトーに並べれば良いというわけではありません。

「単語」から「英文」を作っていくためには、単語の「形」と「並べ順」に注意を払う必要があります。

この時の単語の「形」と「並べ順」のルールをまとめたものが「文法」ということになります。

では、もしも単語の「形」と「並べ順」を全く気にしなかったとしたらどうなるでしょうか?

それを知ることがこのブログテーマの目的です。

例えば、海外にでかけて、現地の人々と英語で意思疎通を図ったとしましょう。

その時、「単語だけをテキトーに並べる」ということで、どれほど通じるものなのでしょうか?

実際のところ、お互いのコミュニケーション能力さえ高ければ、まったくデタラメな文法(単語の形と並べ方)であっても、きちんと通じることがあります。

極端な話だと、「ハウマッチ(How much?)」と「サンキュー(Thank you!)」だけで無事に海外旅行から戻ってくることもできるかもしれません。

人と人が「面と向かって」話をする時、そこには「言語能力」以外の要素も加わって、お互いの言いたいことを理解し合うのが普通です。

言語能力以外の要素、というのは、例えば以下のようなものです。

1. 場面や状況

2. 相手の顔の表情

3. 相手の声の調子

他にもあるかもしれませんが、まずはこの3つを見てみましょう。

「1」については、例えば、会話の場面が「薬局」だったとして、もしも腕をすりむいたような傷があったとしたら、きっと「薬」が欲しいのだろうと想像がつきます。

あるいは、地図を見せながら「ヒア、ヒア!」と指を指せば、「ここへ行きたいのだろう」と想像することができます。

仮に一言も言葉が通じなかったとしても、会話が起こっている場面や状況によって、お互いが「想像力」を使って通じてしまう、ということがあり得ます。

さらに、「2」や「3」が加わると、より想像がしやすくなります。

人は、言葉は通じなくても、「喜んでいる」「悲しんでいる」「起こっている」「感謝している」など、その人の顔の表情を見たり、あるいは声の調子を聞けば、その人が今どんな気持ちなのかがわかることがあります。

それで通じてしまえば、「文法」なんて要りませんね。


ギリギリ、最低限の単語さえ投げつければ良い、ということになります。

それで通じなかったら諦める、という度胸さえあれば、世界のどこに行こうとおそらく大丈夫ですね。

「相手に通じるかどうか」という観点で、上記の程度までで良いという考え方ならば、本当に「文法」など必要ありません。

しかし、多くの英語学習者は、そんなギリギリのところで意思疎通を図ろうとはしないでしょう。

『もう少しきちんと伝えられたら良いな。』と思っている人の方が多数派と思います。

とは言え、文法(=単語の形と並べ順のルール)には、たくさんの項目があります。

これを全部マスターしようと思ったら、相当な努力と時間が必要になりますね。

次回、どこまでの文法項目を学んだら、どこまでの意思疎通ができるようになるか、という点について考えてみましょう。

どうぞお楽しみに!

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