<前回の続き>

(「文法学習は必要か?」のこれまでの記事一覧はこちら。)

前回は「文法なしでどこまで通じるか?」という観点から考えてみました。

今回は、「どこまでの文法でどこまで通じるか?」ということについて考えてみましょう。

まず、英文法というものをザッと眺めてみましょう。

以下、本校で使用している文法書『読んでつながる英文法(著:久末 圭介)」』の目次からの抜粋です。

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第1章 文
 第1節 文型
 第2節 品詞
 第3節 語・句・節・文
 第4節 文の種類

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第2章 名詞・冠詞・代名詞
 第1節 名詞
 第2節 冠詞
 第3節 代名詞

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第3章 be 動詞・一般動詞
 第1節 be 動詞
 第2節 一般動詞
 第3節 進行形
 第4節 動詞の種類と働き

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第4章 時制
 第1節 時制の概念
 第2節 完了形
 第3節 時制の一致
 第4節 話法

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第5章 疑問詞
 第1節 疑問詞の用法
 第2節 疑問詞の種類

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第6章 形容詞・副詞
 第1節 形容詞
 第2節 副詞
 第3節 比較

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第7章 助動詞
 第1節 助動詞の用法
 第2節 代表的な助動詞
 第3節 助動詞の使い分け
 第4節 助動詞+完了形

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第8章 不定詞
 第1節 不定詞の種類
 第2節 不定詞の用法

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第9章 受動態
 第1節 能動態と受動態
 第2節 受動態の意味

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第10章 動名詞
 第1節 動名詞の用法
 第2節 動名詞と to 不定詞

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第11章 分詞
 第1節 分詞の定義と意味
 第2節 分詞の用法
 第3節 分詞構文

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第12章 接続詞
 第1節 接続詞の種類と働き
 第2節 等位接続詞
 第3節 相関接続詞・接続副詞
 第4節 「名詞節」を導く従位接続詞
 第5節 「副詞節」を導く代表的な従位接続詞
 第6節 従位接続詞の意味的区別

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第13章 関係詞
 第1節 関係詞の概念と用法
 第2節 関係代名詞
 第3節 関係副詞
 第4節 複合関係詞

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第14章 仮定法
 第1節 仮定法の基本的概念
 第2節 仮定法を使った表現

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第15章 前置詞
 第1節 前置詞の働き
 第2節 代表的な前置詞
 第3節 前置詞の意味的区別

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断っておきますが、これらの文法項目を「文法用語」と共に知っておく必要があるというわけではありません。

実際に、英文を作る際の「ルール」としての理解があるかどうかが肝心なのです。

仮に「おれは文法なんて全然しらないけど、英語が話せるぜ~」と自慢している人がいたとしたならば、それは「文法用語」として説明ができるわけではないけれど、きちんと「主語の次には述語動詞が置かれる」とか、「可算名詞が複数を表す時には複数形にする」とか、「現在進行形ならbe動詞+動詞のing形が使われる」とか、そういうことが「理解」できているはずなのです。

「理解している」のと「文法用語で説明ができる」のは、同じことではありません。

もしも文法を「お勉強」として学んだことがなかったとしても、例えば、英語圏の国で長いこと生活しているなど、「自然と覚えた」ということであっても、それはそれで「文法のルールを知っている」ということになるわけです。

繰り返しますが、「文法」というものは、あくまでも、単語の「形」と「並べ順」に関するルールのことです。

無意識に身につけたとしても、意識的に勉強して理解したにしても、いずれにしてもこれがなくてはきちんとした英文にはならず、コミュニケーションもギリギリのところでやることになります。

さて、英文法をどこまで知れば、どこまで通じるか、という話でしたね。

まず、「英文」を作るためには、「文の要素」の理解と「品詞」の理解がどうしても必要です。

従って、この部分を知らなければ、文を作ることができず、引いては前回ご紹介したように「単語のバラバラ投げ」でギリギリのコミュニケーションをすることになります。

多くの文は、「述語動詞」を中心に据え置き、それに対する「主語」を伴って完成します。

ですから、まずは「主語と述語動詞」だけでも分かっていれば、すくなくとも文を作る基本は出来上がるわけです。

そういう意味では、「単語のバラバラ投げ」の次のステップとしては、上記の文法目次のうち、まずは「第1章」の理解が必要となります。

そして、第2章から第5章までが理解できれば、カンタンな文ならば作ることができるようになります。

実は、この「カンタンな文」を作るということさえできれば、日常生活のカンタンなやり取りならば対応が可能となるのです。

第6章から第10章までは、もう少し込み入った内容を含んで文を作りたい場合に役に立ちます。

そして第11章から第14章にかけては、さらにハイレベルな内容を1つの文に盛り込みたい場合に使えます。

第15章の「前置詞」というのは、多くの場合は「自然に学ぶ」という人が多いのですが、これはこれで、きちっと
勉強すると、文の表現の幅が広がります。

さて、次回は、「文法用語」というものが必要かどうか、という観点について考えてみたいと思います。

どうぞお楽しみに!

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