(「残念な英語学習法」シリーズ過去記事はこちら

 

英語学習者の皆さん、「辞書」はうまく使えていますか?

せっかく「辞書」を持っていても、辞書に書かれていることを十分に理解しないのはもったいない!

例えば、いくつかの英和辞典には「限定」とか「叙述」という言葉が書かれています。

これは一体何のことだか分かりますか?

さあ、今日も「残念ではない英語学習法」を模索してみましょう!

 

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英和辞典で「形容詞」を調べてみましょう。

すると、単語によっては「限定」や「叙述」といった記載がある場合があります。

これは一体何を意味するのでしょうか?

「形容詞」には、「限定用法」と「叙述(じょじゅつ)用法」という2つの用法があります。

簡単に言えば、以下のように区別されます。

★ 形容詞の「限定用法」>>> 形容詞が「名詞を修飾」する用法
★ 形容詞の「叙述用法」>>> 形容詞が「補語として述部の一部」となる用法

例えば、「beautiful」という形容詞があります。

これは、「名詞を修飾する」という働きもしますし、「補語として述部の一部となる」という働きもします。

例1: He has a beautiful painting.「彼は美しい絵を持っている。」
(形容詞「beautiful」が名詞「painting」を修飾している。)

例2: This painting is really beautiful.「この絵は本当に美しい。」
(be動詞「is」の補語となり、「is beautiful」の全体で述部となっている。)
「名詞を修飾する」というのはたぶん分かりやすいと思いますが、「述部」というのが分からないという人も多いかもしれませんね。

「述部」というのは、その文の「結論」を述べている部分のことです。

その文では一体何が言いたいのか?

1つの文ごとに、その文の「結論」を述べる部分のことを「述部」と言います。

上記の「例2」では、「美しい」ということを文の結論として述べています。

「形容詞」という品詞は、多くの場合「be動詞」の後ろに置かれ、「補語」として機能します。

そして、「be動詞+補語」という形になると、その部分全体が「述部」となるのです。

形容詞は、「補語」となって「述部の一部」となるという働きを持ちます。

「述部の一部」となるので、そのような働きをしている場合の形容詞の用法を「叙述用法」と呼びます。

「叙述」という字の「叙」も「述」も、どちらも「のべる」と読みます。

「文の結論を述べる部分となっている形容詞の用法」だから「叙述用法」と呼ぶのです。

 

さて、このように形容詞には「限定用法(名詞を修飾する)」と「叙述用法(補語となって述部の一部となる)」の2つの用法があります。

ところが、単語によっては、「限定用法」としてしか機能しない形容詞があったり、逆に「叙述用法」としてしか機能しない形容詞があったりします。

例えば、「many」という形容詞。

これは「たくさんの」という意味の言葉ですが、英和辞典で「many」を調べてみると、「通例限定」というような記載があったりします。

つまり、「many」という形容詞は、「たくさんの」という意味では、通常「限定用法」としてしか使われないということです。

「many」をbe動詞の補語として使うのは一般的ではありません。

その一方で、「叙述用法」としてしか使われない形容詞もあります。

例えば、「asleep」などは「叙述用法」としてしか使われません。

英和辞典で「asleep」を調べると、「眠っている」という意味の他に「叙述」という記載があります。

これはつまり、「asleep」は「叙述用法」として使われるのが普通で、「名詞を修飾する」ような「限定用法」の働きがないことを意味しています。

 

多くの形容詞は「限定用法」と「叙述用法」のどちらにも使うことができます。

しかし、「限定用法のみ」あるいは「叙述用法のみ」の形容詞もあるので注意が必要です。

さらに、「意味」によって「限定用法」と「叙述用法」を使い分けなくてはならない形容詞もあります。

「poor」という形容詞は、「限定用法」ならば「かわいそうな」という意味になりますが、「叙述用法」では「かわいそうな」という意味にはなりません。

このように、「意味」によって「限定用法」と「叙述用法」を使い分ける必要があり、そういった情報は辞書に書かれているのです。

なお、「限定」や「叙述」という記載ではなく、別の記載方法でこのことを説明している辞書もあります。

どちらにしても、辞書を正しく使いこなすためには、「限定」や「叙述」が一体何を意味しているのか、理解しておくことは重要ですね。

 

<続く>

 


 

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