<前回の続き>
(「発音美人になりましょう!」の記事一覧はこちら。)
英語学習者にとって、「発音」の学習はとても大切です。
もちろん、「発音よりも内容が大切」とする主張も大切ですが、せっかく内容のあることでも、発音のせいで伝わらないこともあるのです。
自分が発した発音が、相手にとって「心地良い」ものとなり、ひいては「聞きやすい」あるいは「分かりやすい」となれば、その分だけコミュニケーションも円滑となることでしょう。
逆に、自分の発音が下手で、相手にとって「心地悪い」ものとなってしまうと、相手への負担も大きくなります。
英語学習者であるならば、コミュニケーションの相手の負担を少しでも軽くできるよう、是非「発音美人」を目指しましょう。
とは言え、発音美人への道のりは決して楽なものではありません。
今日は、「身体が覚える」ということについて考えてみましょう。
<アメブロからの続きはここから>
「発音」というものは、「身体のコントロール」の1つと言えます。
「喉」を使い、「舌」を使い、「唇」を使い、「あご」を使い、「鼻」をつかい、「呼吸(息)」を使います。
つまり、発音をするということは、「身体」を使うということなのです。
身体を使った運動というものは、「慣れない」うちは、とても大変です。
慣れた運動をしている時には何も感じなくても、慣れない運動をすると、とても疲れます。
疲れるだけでなく、時には「痛み」になったりすることもあります。
以前、本校の生徒の1人が、「[f]の発音の練習をしすぎて唇が痛くなりました」と訴えてきたことがあります。
慣れないことをするということは、「余計な力がかかってしまう」ということでもあります。
ですが、「慣れない運動」であっても、何度も繰り返し練習するうちに、少しずつ慣れていくことでしょう。
人間の脳には「小脳」という部分があって、そこでは「運動」を記憶するそうです。
「小脳」には、「大脳」の7〜8倍もの神経細胞があります。
数で言えば、小脳だけで「1000億個」もの神経細胞があるとのことです。(大脳の数は「140億個」と言われています。)
それだけの数の神経細胞を使い、小脳では「運動」を記憶するのです。
「運動の記憶」というものは、いったん小脳に記憶された後は、なかなか失われません。
子供の頃に覚えた「自転車の乗り方」などは「運動の記憶」と言えますが、一度できるようになってからも何度も繰り返し練習し、小脳に深く定着すると、何年経っても忘れません。
これと同じで、「発音」もまた、「身体」を使った運動ですから、一度覚えたら忘れません。
一方、「単語」のようなものは、「小脳」ではなく「大脳」で記憶するものですから、一度覚えたからと言って絶対に忘れないとは言い切れません。
悲しいことに、単語のように「大脳」で記憶しているものは、何度も繰り返していないと、簡単に忘れてしまうのです。
逆に言えば、いったん「発音美人」になってしまえば、それはもはや失われることはない、ということなのです。
「小脳」にキレイな発音を記憶させてしまうまで、練習をやめてはいけません。
身体が発音を覚えるまでは、最初のうちは疲れるし、痛みも伴うかもしれませんが、そのうち楽になります。
そうなるまで、是非、忍耐強く練習を続けてみましょう。
<続く>
本校では、人の「小脳」の働きに合わせた発音トレーニングを指導しています。
興味のある方は、是非お気軽にお問い合わせください。
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