<前回の続き>
(「発音美人になりましょう!」の記事一覧はこちら。)
前回、発音は「身体」で覚えるものだから、身体が記憶するまで何度も繰り返す必要がある、と書きました。
「身体の運動」というものは、「小脳」というところで記憶されます。
小脳には1000億個もの神経細胞があり、そこでいったん覚えた「運動」の記憶は滅多なことでは失われません。
運動を記憶するためには、「実際に身体を動かす」ということを繰り返さなくてはなりません。
「発音」もまた運動ですから、「何度も発音を繰り返す」ということをせずには身につかないのです。
さて、今日は発音を練習する際に気をつけなくてはならないことについておさらいします。
<アメブロからの続きはここから>
前述した通り、人は自分の身体を動かすことによって、その運動を「小脳」に記憶していきます。
「小脳」に障害が起こると、今までできていたはずの運動ができなくなることがあります。
つまり「小脳」には、「これまでの運動が全て記憶されている」ということになります。
身体を動かし、運動を「1回」でも行えば、それを「小脳」はすぐに覚えます。
ところが、ここで肝心なことは、「今の動きは正しい動きだっただろうか?」ということを、自分自身で確認しなくてならない、ということです。
例えば、「包丁でリンゴの皮をむく」ということができるようになりたいとしましょう。
当然、包丁を上手く扱えるようになるには、実際に包丁を持って、皮をむくということを繰り返し実践しなくてはなりません。
この時、上手くいったかどうかというのは、「切った皮が分厚くなっていない」とか「皮が途中で切れずに長く剥けた」とか、さまざまな基準がありますね。
「分厚い」とか「短く途切れる」といった切り方は「失敗」であり、「薄い」とか「長く切れた」というのは「成功」というように判断することができます。
このように、「結果を目で見て判断することが可能」というものについては、特に何も考えなくても、ひたすら練習すれば良いと言えます。
しかし、「発音」の場合はそうはいきません。
「発音」は、「後で結果を目で見る」ということができません。
つまり、「発音」は、実際に自分で音を発しながら、同時に「自分の耳でチェックしながら確認する」ということが必要になります。
発音した後で、「今のは失敗だった」とか「今のは成功だった」と思い返す、というのでも不十分です。
「発音するのと同時にチェックする」ということができなければ、いくら練習を繰り返しても、上手になっていかない可能性があるのです。
たとえるならば、包丁でりんごの皮をたくさんむく練習をしたけれど、切った後の状態を全く確認していないのと同じです。
皮の厚さ、長さなどを確認しながら、「今のではダメだ」とか「今のは良かった」というように、自分自身で判断しなくては、いくら練習を繰り返しても、「正しい動き」を覚えていくはずがありません。
「正しい動き」を覚えるためには、「自分自身で確認する」ということがとても重要なのです。
つまり、正しい発音を覚えるためには、「自分の耳で確認する」ということが必要不可欠ということになります。
もしも、自分の耳で確認しないで、「ただ発音を繰り返す」という練習をしてしまったらどうなるでしょうか?
その場合は、きっと「下手な発音をどんどん覚えてしまう」ということになるでしょう。
そうなると、「練習する前よりも下手になった」という悲劇を味わうことになります。
そうならないためにも、「発音する」のと同時に「自分の耳で確認する」ということがとても大切です。
しかし、それが簡単にいかないから困る、という人もいることでしょう。
次回は、「発音する」のと同時に「自分の耳で確認する」ということがどうして難しいのか、その理由について考えてみましょう。
<続く>
本校では、発音しながら「自分の耳で確認する」のがどういうことかを丁寧に説明しながらトレーニングを行っています。
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