私の教室を訪れる人達は、当たり前かもしれませんが、たいていは「英語が苦手」という人ばかりです。

みなさん「苦手を克服する」ということを目標にして本校に来られるわけですが、今までの人生で「苦手を克服する」ということをあまり経験したことがない、という人もたくさんいるようです。

人生、生きていれば「苦手」なことに出くわすのは当たり前。

人によっては「苦手」なことからは徹底的に「遠ざかる」「逃げる」「よける」などして、絶対に向かい合わないようにしている人もいることでしょう。それも人生の1つの在り方であると思います。

しかし、時には「苦手」なことに向かい合い、克服していかなくてはならないという状況もまた、人生にはあるものですよね。

「苦手」なことに出くわした時、「苦手を克服する」という経験を過去にたくさん積んできた人は、比較的楽に新たな苦手を克服していくことができます。

ところが「苦手を克服する」という経験を過去に一度もしていない人は、いつまで経っても「苦手」を「苦手」のままにしてしまいがちです。

たった一度で良いのです。

一度でも自分の意志で、自分から向かい合って、自分の力で「苦手を克服する」という経験をすれば、その次に現れる苦手もきっと克服していくことができるはずです。

では、「苦手を克服する」には、何が必要なのでしょうか。

私の個人的な経験から考えてみると、「苦手を克服する」ということに挑戦している時には、それがどんなことであれ、「共通の要素」というものが必要であるように思います。

例えば、以下のようなものです。

・辛抱強く耐えること

・客観的に自分を観察すること

・バランスをとること

・自立心を持って取り組むこと

・緻密さや細かさを持って取り組むこと

・力の抜きどころを探ること

・長い時間がかかることを覚悟すること

・自分にできると信じること

・上手な人のお手本をよく観察すること

・理論や理屈と実践をつなげること

・スピードを落として丁寧に行うこと

・別のことを考えず、切り替えて集中すること

・上手な人と自分との違いを探ること

・自分のクセがなんなのか観察すること

・自分がアウトプットしたものを自分で評価すること

・諦めずに繰り返すこと

「苦手を克服する」ために、これらの要素の「全て」が必要というわけではないかもしれません。

しかし、「苦手を克服する」という経験をしたことのある人は、おそらく、これらの要素のどれかは意識しながら取り組んだはずです。

そして、「苦手を克服する」ということがなかなかできない人を観察していると(英語教師というのはそういう仕事ですが)、どうも、上記の要素のどれか(あるいは大部分、あるいは全て)が抜け落ちているように見て取れます。

そこで、このブログテーマでは、「英語」に限らず、「苦手を克服する」ということはどういうことなのか、上記の要素を1つずつ取り上げながら考えていこうと思います。

「苦手を克服する」というのは、決して楽なことではありませんが、そういう経験をしていくことは人生において大いなるプラスになるはずです。

そこに「価値」を見出すことが、そもそも「苦手を克服する」ための第一歩かもしれませんね。

では、次回以降の記事をどうぞお楽しみに!