「苦手を克服する」ためには何が必要でしょうか?
「苦手を克服しよう」と闇雲に努力するだけでは「空回り」で終わってしまうことも多々あります。
日々、英語を教えていると、そういう「空回り」の状態に陥ってしまっている人を目の当たりにすることがよくあります。
そこで「苦手を克服するために」というテーマで考えていこう、というのがこのブログ記事テーマの目的です。
前回は、苦手なことに取り組む際には「理論」や「理屈」を持って実践すると良い、ということを書きました。(前回記事はこちら)
今日は、もう少し具体的な例を交えて考えてみましょう。
例えば、英語の「s」の発音がうまくいかず、「sh([ʃ])」の音になってしまいがちな人がいたとします。(実際に、そういう生徒はたくさんいます。)
「s」の音を出したいのに、「sh」の音になってしまう。
そこでひたすら「s」の音が出せるよう練習したとします。
ところが「何も考えず」にただ練習しているだけではいっこうに上達しません。
『自分はどうして「s」の音を「sh」として出してしまうのだろう?』
『そもそも「s」の音と「sh」の音を出す時、口の中では何が違っているのだろう?』
このようなことを自問しながら、「理論」や「理屈」で考えていくと、闇雲に練習する場合に比べ、遥かに早いスピードで苦手を克服していくことができます。
ちなみに「s」と「sh」の音の違いは、「舌先」の位置にあると言えます。
「空気の流れ」を口の中のどこに当てるか、によって「s」と「sh」の音は違ってきます。
「s」の音を出したいのに「sh」の音になってしまう人は、「舌先」の運び方に問題があるのです。
ところが、こういう理屈を考えず、単に「音」だけを気にして練習していても、いつまでも上達しない可能性があるのです。
また、理屈が不十分でも上達に時間がかかります。
「s」と「sh」の発音の違いについて、「唇」や「のど」や「歯」などに原因を見出してしまい、「舌先」には全く意識が向いていないと、いくら自分で「理屈」を持っているつもりになっていても、なかなか上達していかないでしょう。
このことは「観察するポイントを増やそう」というテーマで書いた時にもご紹介しましたね。(過去記事はこちら。)
物事の見方に「極端な偏り」のある人は、自分は「理論」や「理屈」を持っている気になっていても、実のところは「見当違いの理論・理屈」になってしまっている可能性があります。
理論や理屈を全然持っていないのは当然のことながら、それらが不十分でも「苦手を克服する」ということが遠ざかってしまうことがあるのです。
何か苦手なことに取り組もうとするならば、「うまくいかない原因」というものを「理論」や「理屈」を持って、あらゆる角度から考察しながら取り組むと良いです。
是非、意識してみてください!
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