英語をはじめ、「苦手なこと」を克服するにはどうしたら良いかを考えていくこのコーナー。
苦手を克服するためには、当然「努力」というものが必要になりますが、ただ努力をするだけでは苦手を克服していけない場合もあります。
そのために、「複数の視点をもって、バランスを取ろう」と言うことを前回書きました。
(前回の内容をお忘れの方はこちらからどうぞ!)
バランスを取るにはいくつもの「観点」が必要となります。
前回、10個ほどバランスを取るための「観点」を挙げましたが、そのうちの最後には次のような観点をご紹介しました。
10. バランスに関するバランス
(バランスをうまく取りすぎて力が均衡していないか、バランスが崩れすぎて一方向だけにエネルギーが注がれていないか)
このことは、バランスについて考える上で、とても重要です。
バランスというものは、常に「50:50」がベストである、というわけではないのですね。
優秀な人材ほど、仕事によって「バランスを変える」ということを上手にしますし、優秀でない人材ほど「アンバランス」であったり、あるいはバランスが「常に一定」だったりします。
例えば、普通、仕事をする上で「スピード」と「丁寧さ」は反比例するものです。
「この仕事は、スピード『80』、丁寧さ『20』でやろう」とか
「この仕事は、スピード『10』、丁寧さ『90』でやろう」というように、
その都度「ベストなバランス」がどこにあるのかを見計らって進めていくことができる人ほど、優秀な人材と言えるでしょう。
ところが、全ての事柄について「スピード『100』、丁寧さ『0』」という具合にアンバランスなのも問題ですが、全てを「スピード『50』、丁寧さ『50』」という具合に一律すべてを「半々」のバランスで進めていくのも問題です。
バランスというものは、「半々(50:50)」を意識しながらも、その時々の状況に合わせて変えるべきものと言えますね。
がむしゃらに努力するだけでは、苦手なことを克服していくどころか、自分の方が疲れてしまい、ついには前に進めなくなってしまうこともあります。
だからと言って、常に「均衡」を保っていれば良いというわけでもありません。
時には、他人から見て「アンバランスだな」と思われるようなエネルギーの偏りがあるからこそ、ものすごい成果を成し遂げることもあるのです。
もちろん、「アンバランス」な状態は、エネルギー値も高い分だけ、自分への「負担」も大きくなります。
このように、「バランスを取ること」自体についても「バランス」を考えていくと良いでしょう。
単なる努力ではなく、「バランスを伴った努力」というものこそが、苦手を克服していく大きな助けとなるのです。