前回、「現在完了」について、おおまかな説明をしました。

「現在完了」には、「1. 完了」「2. 結果」「3. 経験」「4. 継続」という4つの意味がありますが、どれも「過去のある1時点」と「現在」を結んだ内容について述べているという特徴があります。

今回は、上記の4つの意味のうち、「1. 完了」と「2. 結果」について、もう少し詳しく説明します。

 

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「彼女はその本を捨てた。」という文があったとします。

これを英語で表現すると、「過去形」でも表現できますが、「現在完了」でも表現することができます。

同じ日本語の文なのに、英語では「過去形」と「現在完了」とで意味が異なります。

★ She “threw” the book away. (過去形)

★ She “has thrown” the book away. (現在完了)

前回も説明しましたが、「過去形」で表現した場合には、「本を捨てた時点の話」だけをしていることになります。

一方、「現在完了」で表現した場合には、「本を捨てた時点」に発生した「変化」というものが、「現在」にまで影響を及ぼしている、ということが表現されます。

「本を捨てる」という行為をすれば、その行為の「前」には「本が手元にある」という状態があり、またその行為の「後」には「本が手元からなくなっている」という状態に変わることを意味します。

現在完了を使って、「She has thrown the book away.」と表現した場合には、「本を捨てたのは過去の話だが、そのことによって、今、本は彼女の手元にはない状態になっている」ということを、それとなく述べることになるのです。

過去形の場合には、「本を捨てた時点」のみについて述べているので、「今」のことについては触れられていません。

つまり、過去形で表現した場合は、「本を捨てたという過去の事実」だけを述べるのですから、もしかしたら、「その後で同じ本をまた買ってきたから、今、彼女の手元には同じ本がある」ということも考えられるということです。

過去形で何かを表現した場合は、原則的には「今」のことについては触れない、ということになるのです。

さて、ここまでは前回お話した内容のまとめです。

 

「現在完了」の「1. 完了」と「2. 結果」は、どちらも、「過去の動作によって、現在の状態がこうなっている」ということをそれとなく相手に伝えるような表現です。

通常、「1. 完了」の表現の場合には、「just」という副詞が「have(あるいはhas)」と「過去分詞」の間に置かれます。

「just」という言葉が現在完了で使われた場合、それは「たった今」「ほんの少し前」ということを表します。

上の例で言うならば、「She has just thrown the book away.」となります。

この意味は、「本を捨てるという動作が、たった今、ほんの少し前に行われ、そのことによって、今、彼女の手元に本はない」ということを表します。

「just」が入ることで、「捨てるという動作を行った時点」と「現在」までの間には、ほとんど時間の経過がないということが表されます。

これを日本語で表現するならば、「彼女は、たった今、その本を捨てたところだ。」のようになります。

このように、「〜したところだ」や「〜したばかりだ」と言いたい時は、現在完了の表現に「just」を加えれば良いということです。

これが現在完了の「1. 完了」の用法です。

 

一方、「2. 結果」というのは、言うなれば「just」がない現在完了の表現で、かつ、「3. 経験」や「4. 継続」ではないもの、ということになります。

時々「already」という言葉を伴うことがありますが、このような言葉がなく、「just」という言葉もなく、さらに「3. 経験」でも「4. 継続」でもないならば、その表現は「2. 結果」を表していると解釈してほぼ差し支えないでしょう。

「2. 結果」というのは、日本語で表現するならば、まるで「過去形」と同じようになってしまうことがあります。

上記の「彼女はその本を捨てた。」というのがまさに「2. 結果」の表現を日本語で表したものです。

「2. 結果」の意味の場合は、日本語で「〜した」という過去形のような訳し方になる以外には、次の2通りが考えられます。

(1) 「〜してしまっている」(「だから既に手遅れです」の意。)

(2) 「〜してある」(「だから心配しなくて大丈夫です」の意。)

「2. 結果」の表現は、「動作は過去のことであり、今は、動作が終わった後の状態のままである」ということを表す表現です。

従って、「動作はもう終わってしまっているので、今更その動作をしなかったことにはできない、手遅れである」という「悪い意味」として使われたり、「動作はもう終わっているので、改めてその動作をする必要はないから安心してください」という「良い意味」として使われたりします。

「She has already thrown the book away.」というように「already」が入ってくれば、それは「2. 結果」の表現として解釈して良いでしょう。

現在完了の「1. 完了」「2. 結果」「3. 経験」「4. 継続」のうち、一番理解が難しいのは「2. 結果」かもしれません。

次回は、「2. 結果」の表現と、単なる「過去形」との違いについてご紹介します。

 

<続く>

 

 


 

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