久しぶりのこのコーナー。
文法書に書ききれないような事柄について色々と説明してみます。
今日のテーマは「as 〜 as」の表現についてです。
ご存じ「原級比較」の表現ですね。
比較というのは、色々と慣用的な表現も多いせいか、日本人には「どうしてそういう意味になるの?」と疑問に感じられるものがたくさんあります。
「as 〜 as」もそのような表現の1つと言えそうです。
<アメブロからの続きはここから>
まず、「比較」の表現は、そもそも「形容詞」や「副詞」といった言葉について用いられる表現です。
ただし、「形容詞」や「副詞」と言っても、「程度が高くなったり低くなったりする」ような言葉については比較の表現で使うことはできますが、そうではない言葉については、原則として比較の表現で使うことはできません。
例えば、「foreign」という形容詞は「外国の」という意味の言葉ですが、これは「程度」が高くなったり低くなったりするような言葉ではありませんね。
このように「程度の高低」を表すことのできない言葉は「比較」の表現にはならないということになります。
逆に言えば、「程度」が高くなったり、低くなったりするような言葉は、概ね全て「比較」の表現になるということです。
「比較」の表現には「原級比較」と「比較級比較」と「最上級比較」の3つがあります。
このうち、「as 〜 as」というのは「原級比較」ということになり、「as」と「as」の間には、「程度」を表す形容詞や副詞の「原級」が挟まります。
この表現では、最初の方の「as」で、なんとなく「同じくらいの程度まで高まっている」ということを表現します。
例えば、「as long」と言えば「同じくらいの程度まで長い」の意となり、「as old」と言えば「同じくらいの程度まで年齢を重ねている」という意味になります。
しかし「as long」や「as old」で終わってしまうと、「何と比較して同じくらいなの?」ということが不明確となります。
そこで、さらにうしろに「as」をもう1つ持ってきて、「何と比較しているのか」を表す言葉を添えるのです。
「as long as this table」ならば「このテーブルと同じくらい長い」という意味になりますし、「as old as my father」ならば「私の父と同じくらい年齢を重ねている(つまりは同い年だ)」という意味になります。
さて、「程度」が高くなったり、低くなったりするような形容詞や副詞の中には、「2つの言葉が対になっているもの」があります。
例えば、「long(長い)」に対して「short(短い)」、「old(年齢を重ねている)」に対して「young(若い)」という具合です。
このように、反対の言葉が「対」になっている時、「as 〜 as」の間に挟まる形容詞や副詞には、たいてい、「程度が高くなっていく方の言葉」が入る傾向にあります。
「long」と「short」で見てみると、「long」という言葉は、「長い」という意味ですから、それを比較級の「longer」にしていけば、どんどん程度が高くなっていきます。
一方、「short」の方は「短い」という意味ですから、これを比較級にして「shorter」とすると、どんどん程度が低くなっていくことになります。
「long」の方は、どんどん長くしていけば、無限に長くなりますが、「short」の方は、どんどん短くしていくといずれは「ゼロ」になってしまいます。
このように、程度が低くなっていく言葉というのは、いつかは「ゼロ」となってしまい、それ以上の比較はできなくなります。
いつかはゼロになってしまうような言葉は、程度がどんどん低くなる言葉であり、そのような言葉は「as 〜 as」の間に挟まることはほとんどありません。
2つの物体「A」と「B」を比較して、それらが「同じ長さである」と言いたいならば、「A is as long as B.」と言うのが自然であり、「A is as short as B.」と言うのは稀です。
同様に、「AさんとBさんは同じ年齢だ。」と表現する場合、「A is as old as B.」とは言いますが、「A is as young as B.」とは言いません。
これは、「as 〜 as」の2つの「as」のうち、最初の方の「as」が「同じくらいの程度まで高まっている」ということを表しているからです。
「long」という言葉は、これだけならば「長い」という意味になりますが、どのような物体も、「ゼロ」からスタートし、少しでも長さを持った瞬間から「long」という言葉で表現することができます。
例えば、「0.001mm」の長さだった場合でも、「0.001 millimeters long」のように表現できるのです。
これを「0.001 millimeters short」とは普通は言いません。
少しでも長さがあれば、そこから「long」という言葉が使えるようになり、そこから先は程度がどんどん高くなっていく(つまり長くなっていく)ということです。
同じように、「生後10日」の赤ん坊であっても、「10 days old」とは言いますが、「10 days young」とは言いません。
「old」もまた「long」と同様、生まれてから少しでも時間が経てば「old」という言葉が使えるのです。
さて、少し長くなったので、続きはまた明日!
どうぞお楽しみに!
<続く>
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