まず、前回示した以下の英文を改めて見てみましょう。

He   is   the   boy   who   saved   my   life.

この英文の真ん中にある「who」は「関係代名詞」です。

前回も説明しましたが、関係代名詞には、関係代名詞その後ろに続いている部分を「1つのかたまり」にする働きがあります。

そして、「関係代名詞+その後ろに続いている部分」の中には、必ず「主語+述語動詞」となっている部分が含まれます。

この文では、who saved my life」という部分が「1つのかたまり」となっていて、「who」と「saved」の2つが「主語」と「述語動詞」という関係になっています。

「whoが主語となっている」ということについては今はさておき、この「who saved my life」の部分が1つのかたまりとなっている、ということをしっかりと理解することがまずは大切です。

 

さて、関係代名詞その後ろに続いている部分を1つのかたまりとして見なしたとして、今度は、そのかたまり全体の働きについて見てみましょう。

「関係代名詞+その後ろに続いている部分」は、「関係詞の前に置かれた名詞を修飾する」という働きをします。

上の文の例で言えば、who saved my life」というかたまりが、その前に置かれている名詞「boy」を修飾している、と言えるのです。

ふむ。。。 少しややこしくなってきましたね。

これを理解する前に、「修飾する」という言葉の意味についておさらいしましょう。

文法の世界には、「Aという言葉が、Bという言葉を修飾する」というような表現をすることがあります。

「Aという言葉が、Bという言葉を修飾する」というのは、言い換えるならば、「Aという言葉が、Bという言葉の意味を狭くする」ということになります。

そして、日本語では、修飾する言葉Aが、必ず修飾される言葉Bよりも前に置かれます。

例えば、「犬」という名詞があります。

「犬」は世界中にたくさんいますね。

この「犬」という言葉の前に、「大きい」という言葉がついたとしましょう。

すると「大きい犬」となります。

この場合、「大きい」という言葉がつくことによって、世界中の犬が「大きい犬」と「大きくない犬」に分類されることになり、そのうちの「大きい犬」に範囲が狭められる、ということになります。

仮に、「私のいとこは犬を飼っています。」という文があったとします。

この場合、この文を聞いた人は、その犬がどのような犬であるか、自由に想像して良いということになります。

しかし、「私のいとこは大きい犬を飼っています。」という文になったらどうでしょう?

世界中の犬が「大きい犬」と「大きくない犬」の2つのグループに分類され、そのうち「大きい犬」のグループの方に絞り込まれた、ということになります。

つまり、「大きい」という言葉は、「犬」という言葉の意味の範囲を「狭くする」という働きをしているということになるのです。

このように、「言葉の意味の範囲を狭くする」ということが、すなわち文法では「修飾する」と言われるのです。

 

ここで、上の例文に戻りましょう。

He   is   the   boy   who   saved   my   life.

この文で、「who」は関係代名詞です。

「関係代名詞」は、「関係代名詞+その後ろに続いている部分」を1つのかたまりにするという働きを持っています。

ここでは「who saved my life」という部分が「1つのかたまり」となっています。

そして、このかたまり全体が、関係代名詞「who」の前に置かれた「boy」という名詞を修飾している、ということになります。

「boy」は、日本語に訳せば「少年」です。

そして、「who saved my life」のうち、「who」を除いた「saved my life」を日本語に訳すと「私の命を救った」となります。

つまり、「私の命を救った」という部分が、「少年」という名詞を修飾している、ということになるのです。

上述したように、日本語では、「修飾する言葉」は、必ず「修飾される言葉」の前に置かれます。

そうすると、「私の命を救った少年」ということになります。
さて、今日はここまで。
続きはまた今度説明しますね。
どうぞお楽しみに!