昨日のブログ記事で、「ゲリラ豪雨」について触れました。
「ゲリラ」というのは、英語では「guerrilla」あるいは「guerilla」と書かれます。
これの発音記号は[gərílə]です。
実はこの発音記号、別の単語「gorilla」と全く同じ発音記号なのです。
「gorilla」というのは、日本語では「ゴリラ」のこと。
そう、あのサルの親分のような「ゴリラ」のことなのです。
「ゲリラ」と「ゴリラ」は、もちろん全く別の言葉です。
「ゲリラ」はスペイン語で「戦争」を意味する「guerra」から派生した言葉らしく、「ゴリラ」はギリシャ語の「gorillai」から由来しているとのことです。
つまり、両者は起源の異なる別の言葉なのです。
ところが、発音記号ではどちらも同じ[gərílə]となるのです。
では、英語ネイティブ達は、「ゴリラ」と言いたい場合と「ゲリラ」と言いたい場合とで、どのように区別しているのでしょうか?
実は、これは人によって感覚が異なるらしく、「ゴリラ」の場合は最初を「ゴ」にし、ゲリラの場合は最初を「ガ(のこもった感じの音)」にして区別する、という人もいれば、両者を全く区別しない、という人もいたりします。
では、我々日本人はどうすれば良いでしょうか?
たいていは「文脈」によってどちらで発音されているか分かりそうなものなので、全く同じ発音で良い、とも言えるかもしれません。
ですが、私(久末)としては「発音はスペルに従え」ということを主張します。
つまり、「gorilla」の場合、最初は「gor」というスペルが見えるので、[gɔr]という発音に近い感じの音(カタカナだと「ゴー」という音)にし、
「guerrilla」の場合、最初は「guer」というスペルが見えるので、[gər]という発音に近い感じの音(カタカナだと「ガー」のこもった感じの音)にすると良い、ということです。
発音記号というものは、とても便利なものですが、あくまでも「平面に書かれた二次元のもの」なのであり、空気中を三次元的に伝う「音」と完全に合致できるものではない、ということを理解しなくてはなりません。
完全に合致しなくても、多くの場合は音と発音記号は「1対1」で対応しているわけですから、その利便性を最大限に取り入れながら学習していくのが賢い学習法と言えるでしょう。
→続きの記事を読む→「ゲリラとゴリラは同じ音?(Part 2)」