英語の学習には「絶対に暗唱が良い!」というポリシーのもとで書き始めたこのシリーズ。

前回までは「音読の心構え」について書きました。

「音読」を適切におこなわないと、当然のことながら「暗唱」も適切におこなうことができません。

今回は、「音読の心構え」の最後のまとめについて書きます。

「音読の心構え」には、既に述べたように、以下の3つが挙げられます。

<音読の心構え>
 1.スペル(文字)と発音の関連性に注意すること。
 2.英文の構造(品詞・文法項目・文型)を意識すること。
 3.英文の意味、単語の意味を捉え、そこから「映像化」しながら音読すること。

この3つを「同時」に意識して音読することを目標としてほしいのですが、かなり英語ができる人でも、この3つを同時に意識することは容易ではありません。

頭の中で、「3つ以上のこと」を同時に意識するには、大変な集中力が必要です。

ですが、人間、慣れてくれば、最初は「意識」をもってやっていても、次第に「無意識」でやれるようになるものです。

肝心なのは、「意識をもって、繰り返す」ということなのです。

ところが、「意識をもって」という部分を意識するあまり、音読そのものが「ぎこちなく、途切れ途切れに」なってしまっている人もいます。

「正しく音読する」ということはもちろん大事ですが、「正しさ」と「なめらかさ」は、不慣れなうちは「反比例」しますね。

普通の人が、何の予備知識もなく、自己流で英文を音読すると、自己流ながら、それなりの「なめらかさ」をもって読むことができるかもしれません。

ところが、「正しさをもって読む」ということを意識すると、とたんに「なめらかさ」が失われます。

でもそれではダメなのです。

「正しく、かつ、なめらかに」という具合にいきたいのです。

しかし、「正しくやると、なめらかにならない」という反論が返ってきてしまうので困ってしまいます。

そこで、もう1つの要素として、「読むスピード」を加えてみましょう。

「なめらかに」というと、多くの人が「早く」というように捉えてしまうかもしれませんが、「なめらかさ」と「早さ」は全く別のものです。

たとえて言うなら、「空手の突き」の稽古などを想像すると、動きも早く、1つ1つの動きがハッキリしています。

動から静へ、また静から動へ。

この区別がハッキリしているので、「なめらか」というよりも「カクカク」という印象でしょうか。

これに対して、「太極拳」を思い浮かべてみて下さい。

太極拳の場合、空手のような「素早さ」は全く見られません。

その代わりに、空手にはないような「なめらかさ」があります。

つまり、太極拳は「なめらかに、しかし、ゆっくりと」という感じの動きです。

英文を音読する際に、上記の「音読の心構え」を頭の中で同時に意識しようとしても、なかなかうまくいかないでしょうが、そんな時は、「読むスピード」をグッと落として、「太極拳」のように「なめらかに、しかし、ゆっくりと」読むように心懸けると良いのです。

「なめらかに」ということは、「カクカク」しないで、区切り目や息継ぎも最低限に留め、なるべく単語と単語を「つなげる」ようにして読む、ということです。

それを実現させるためにも、「読むスピードを落とす」ということが非常に重要なのです。

本校で発音指導をしていると、「せっかち」なのか「あせり」なのか分かりませんが、なかなか音読が上達していかない人がいます。

そういう人が一番意識しなくてはならないのは、「自分でスピードを落とす」ということなのです。

「なめらかに、しかし、ゆっくりと」読むようにしながら、頭の中では、3つの「音読の心構え」を同時に意識できるように、何度も、同じ英文を音読すると良いのです。

そして、そのうちに「正しさとなめらかさ」の両方を、「口」が勝手に覚えてくれます。

この状態になるまでは、文字から目を離さず、何度も何度も繰り返すと良いでしょう。

是非試してみて下さい。