前回、「今の自分」を知るために、「それを本当にやるべきか?」ということを自分に問うと良いと書きました。
「それを本当にやるべきか?」という問いには、以下の2つの意味があります。
1.それをしなければ、本当に困ったことになるか?
2.やるべきだとしても、自分がやるべきことか?
前回は1つ目について書いたので、今回は2つ目について書きます。
自分がかかえているある仕事について、「本当にやるべきだ」と判断した場合でも、「その仕事をやるのは、本当に自分でなければならないか?」と問いかけることも大事です。
「自分でなくてはできないことだから、自分がやる」と思っている仕事について、もしかしたら、周りの人は「あなた以外の人に任せれば良いのに」と思っているかもしれません。
「自分でなくてはできない」という判断自体が、もし自分の「極端な価値観のかたより」によるものだとしたらいかがでしょう?
「極端な価値観」の話は、この「時間をうまく使う方法」のテーマで最初の方でたっぷり書きましたね。(読んでいない方はこちらからどうぞ。)
つまり、物事の判断について「極端な価値観」を基準にする傾向のある人は、「自分でなくてはできない」と思い込んでいる可能性もある、ということです。
「自分でなくてはできない、なぜなら、他の人に任せれば、完成度が低くなるから。」
このように考えているうちは、人に仕事を任せることができません。
「完成度が低くなる」というのは、「自分にとっての100点満点よりも低くなる」ということですが、「自分にとっての100点」が本当に必要なのかどうか、改めて考えてみることも重要です。
自分の後輩や部下、あるいは同僚、あるいは上司にさえ、自分がかかえている仕事を「パス」することができれば、自分がかかえる仕事の量を大きく減らすことができるかもしれません。
「パスする相手がいない」ということならば、う~ん、まあ、仕方がないかもしれませんが、もしも「パスする相手がいる」ということならば、パスをするかしないか、それは「自分の価値基準次第」ということになるかもしれません。
人に任せられる仕事をたくさん見つけていくこともまた、「できる仕事人」の条件といえるでしょう。