英語を勉強するなら、なんてったって「暗唱!」ということをつらつらと書いていくこのコーナー。
そろそろ読者のみなさんも「もう、よく分かったから!」と辟易(へきえき)してきているのではないかと心配しつつ、それでもしつこく書いていきます!(笑)
前回は、「音読」や「暗唱」といった「音声学習」をしていくことで、「音とスペル」のつながりが見えてくる、という話を書きました。
(前回記事はこちら)
「単語」を覚えるのに苦労している人、たくさんいることと思います。
実は私自身も「単語」には苦労しています。
「単語」ばっかりは、「無理矢理覚える」ということをしなくてはなりません。
そして、「無理矢理覚えた」はずなのに「また忘れた」となり、また「無理矢理覚える」ということを繰り返していく必要があるのです。
そういう「覚える→忘れる→覚える→忘れる」という繰り返しを愚直にやり続けた人だけが、「語彙力」というものを身につけていくのですね。
単語を覚えるには、前回書いた「スペル」というものがとても大切になりますね。
しかし単語を覚える際、スペルだけでなく、その単語が持つ「働き」と「イメージ」もまた、とても大事なのです。
「働き」と「イメージ」。
例えば、日本語で「横着」という言葉があります。
この言葉を知らない外国人が、「横着」という漢字と「おうちゃく」という読み仮名を覚えたからと言って、これを実際に使えるようになるかと言えば、それは大いに疑問です。
「横着」という言葉を使うには、「横着」という言葉がどのように文の中で使われるのかを知らなくてはなりません。
・まったく、あいつは横着なやつだな。
・ちょっと、横着しないでよ。
・横着はいけません。
この3つの文の中に出てくる「横着」という言葉は、どれも「働き」が違います。
「横着なやつ」という言い方をする時は、「横着」の後ろに「な」がついて、その形になることによって後ろの名詞「やつ」を修飾していると言えます。
2番目は、「横着」のうしろに「しないで」というような言葉がついて、それによって1つの「横着する」という動詞のように機能していると言えます。
3番目は、「横着」という言葉が、そのまま「名詞」として機能していると言えますね。
このように、同じ「横着」という言葉であっても、文によって「働き」が違ってくるのです。
これを「頭の良さ」を使って、無理矢理「文字だけで覚える」ということをしていても、おそらくその人はとっさに「横着」という言葉を正しく使えるようにはならないでしょう。
「横着」という言葉を使いこなせるようになるには、上記のような表現を「音」にして発してみると良いのです。
「横着なやつ」という言い方を、目で、文字で、覚えるだけではなく、「耳と音」と一緒に覚えるのです。
そうすると、「横着なやつ」という「音」を聞いたり、言ったりすることによって、「文字」だけでは決して得られないような「一体感」を自分の中に持つことができます。
その「一体感」こそ、英語を使う時に必要なのです。
単語の「スペル」と「音」と「働き」が合致してようやくその単語を使えるようになるのです。
さらに、音を使うことで得られる一体感には「イメージ」というものがあります。
上記の例で言えば「横着」という言葉を使った文からは、いずれの場合も「あまり感心できないこと」というイメージが浮かんできますね。
「単語の文字」だけを見つめていても、実際の文での使用例に触れなければ「イメージ」はわいてきません。
つまり、「音にして発する」ということをすれば、「スペル」と「音」と「働き」に加え、さらには「イメージ」まで一緒に思い浮かべることができるのです。
単語を覚えることが苦手という人は、是非、「単語が文の中に入ったもの」をたくさん声に出し、「音」と一緒に「スペル」と「働き」と「イメージ」を思い浮かべるように意識してみると良いでしょう。
すぐにはできなくても、そのうち「この単語は、なんとなくこんな感じ」というような感覚がつかめるようになります。
そうやって、「スペル+働き+イメージ」を「音」の中に集約していくような学習が、とても有効なのです。
それを繰り返すためにも、「音読」からさらに高めて「暗唱」するということが、非常に役に立つはずです。
是非、やってみてください!
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