<前回の続き>

(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズの記事一覧はこちら。)

 

前回、「できるようになるのが早い人」ほど、「知的な予測・推測」をやろうとする意欲が強い、ということを書きました。

「知的な予測・推測」というのは健康な人間ならたいてい誰でも持っているもののはずです。

肝心なのは、「自分が持っているはずの能力を、使おうとするかどうか」という点です。

できる人になりたいならば、「自分にも、知的な予測や推測をする能力があるんだ」という自覚を持って、日々の生活の中で意識してその能力を使うように心懸けることが大事です。

さて、今日は、日々の生活の中で実践できる「予測・推測の練習方法」として、「人の言葉を推測する」ということについて考えてみたいと思います。

 

<アメブロからの続きはここから>

 

人とコミュニケーションする能力が高い人は、たいてい「仕事ができる人」と言えます。

逆に、いくら知識があっても、それを「人に伝える」ということがうまくいかなければ仕事もうまくいきません。

コミュニケーション能力には「2つ」あります。

1つは「相手の言っていることを理解する能力」であり、もう1つは「自分の考えていることを相手に分かりやすく伝える能力」です。

言い換えるならば、前者は「インプット」の行為であり、後者は「アウトプット」の行為です。

どちらの方が難しいかと言えば、当然「アウトプット」の方が難しいわけですが、「インプット」がまずできないことには「アウトプット」もできるようにはなりません。

では、「インプット能力」を高める方法とは、どのようなものでしょうか?

おそらくたくさんあることでしょうが、その中の1つに「相手の言葉を予測する」という方法が挙げられます。

仕事をしていれば、自分と関わる人は大勢いますね。

同じ会社の上司や先輩、あるいは後輩や同期の仲間。

さらには、取引先の人たち、お客様など。

自分と相手の「立場関係」が分かっているならば、自分と相手の間で展開される「会話」もまた、おおよその見当がつくはずです。

例えば、「上司」と話をするという場合には、多くの場合、上司は、自分の仕事の「進捗(しんちょく)」について聞きたがるでしょうし、あるいは、仕事に取り組んだ後の「結果」を知りたがるかもしれません。

自分が上司に「報告」をする際、求められているだろう事柄を前もって予測するのは難しいことではありません。

「報告書」という形で提出したり、あるいは「プレゼンテーション(プレゼン)」という形で発表したり、上司に伝える方法はいくつかあります。

予め用意した資料の中には、当然、「報告すべき内容」が含まれていなくてはなりませんが、「仕事ができる人」は、必ず、資料の中に含まれたこと以外についても事前に考えています。

つまり、「この報告を見た(聞いた)後で、上司はどのような疑問を思い浮かべるだろうか」ということを事前に考えるのです。

報告書やプレゼン資料の内容をばっちり覚えてから報告したとしても、上司は「その中に書かれていないこと」について質問してくる可能性があります。

そこで、報告書やプレゼン資料の中に書かれていないことで、「きっとこういう質問を聞いてくるだろう」と思われる項目を、前もって自分の中で「予測」しておくのです。

この「予測」というものがあれば、「質問」をされた時に「即答」ができます。

逆に言えば、何かの質問に「即答」できた人は、必ず、その質問を「予測」していたはずなのです。

相手が何を質問してくるのかを「予測」している人は、その分だけ、相手が「何を言うのか?」を理解するスピードが速くなります。

ところが、「予測」をしていない状態で、不意を突かれたように質問をされると、人は「即答」することができません。

「即答」ができないどころか、そもそも「相手の質問の意味を理解する」のに時間がかかってしまいます。

「予測」さえしておけば、質問の意味を理解するのも、質問に答えるのも、どちらも「即座に」できたはずなのに、「予測」をしていなかったがために、質問に答えるまでに相当の時間を要してしまう。

このように、「相手が何を言うのか」ということを予測しておくことは、コミュニケーションにおいてとても役に立ちます。

しかも、日常の生活で「人と話をしない」という人はそう多くはないでしょうから、たいてい誰にとっても「練習する場面」はたくさんあるはずです。

上司、先輩、部下、後輩、同僚、お客様、取引先など、仕事におけるコミュニケーションだけでなく、さらには、家族、恋人、友達など、プライベートでのコミュニケーションでも「予測」するということは練習できます。

さあ、これを読んでいるあなたも、明日から、人との会話をする前に、ちょっとした「予測」をした上で会話を始めてみませんか?

「予測した通りの質問」や「予測した通りの発言」が相手から出てきた時には、きっと嬉しい気持ちになります。

そうやって、「知的な予測・推測」を練習していけば、「できる人」になるまでの道のりもグッと縮まることでしょう。

 

<続く>