このテーマ、久しぶりですね。
ちょっとおさらいから。
「音が見える」とか「文字が聞こえる」というのは、その言語を習得している人には当たり前の話です。
こうしてブログ記事を読んでくださっている皆さんも、この文字を目で見ながら、それを頭の中で「音声」にすることができますね?
また、逆に、もしも周りに誰かが話しているのが明確に聞こえてきたとしたら、その音を「文字」として頭の中で浮かべることができますね?
「音が見える」とか「文字が聞こえる」ということができるということが、その言語を習得している、ということになるのです。
では仮に、周りに「英語」を話している人がいたとして、その音を頭の中で「文字」として浮かべることができるでしょうか?
これが100%できれば、その人はネイティブである、あるいはネイティブと同等の言語能力を持っている、と言えます。
先日、うちの教室で「英語の発音教室」をやりました。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のセリフを使って英語の発音を学びましょうというものです。
今回は「Dr. Brown」こと「ドク」がタイムマシンの説明に入るところをやりました。
ドクはものすごく早口で、主人公マーティーの疑問・質問を無視してどんどん話を進めていきます。
そのドクの早口っぷりが面白くて、私個人はこのシーンがとても好きなんです(笑)
参加してくださった方々は、最初、「早くてよく聞こえない」というようなことを言っていました。
しかし、セリフが書かれたプリントの文字を目で追いながら、何度も繰り返し聞いてみて、そして自分も何度も発音しているうちに、少しずつ「聞こえてきた」と言ってくださいました。
「音」を「音だけで捉える」というのはとても大変です。
「音」を「音+文字で捉える」というのは、比較的楽になります。
これが、前回までにお話しした「絵本」の話につながるのです。
子供の頃にたくさん絵本の読み聞かせをしてもらった子供は、「音+文字」によるインプットをたくさんこなしたことになります。
「音+文字」の同時インプットをたくさんこなした子供は、その後で「お勉強」として文字を学ぶ際に、あまり抵抗なく入っていくことができます。
これと同じで、大人が「外国語」を修得しようとする場合にも、「音+文字のインプット」を繰り返すのが言語習得の「初期」の頃にはとても重要なのです。
初期の段階で「音+文字」を同時にインプットしていくというプロセスを経ていくからこそ、だんだん「音だけ」を聞いて文字が浮かぶようになったり、あるいは「文字だけ」を見て音が浮かぶようになったりするのです。
そして、そういう「音+文字」の「たまり」が十分できたら、今度は、それらを「アウトプット」していくというプロセスへと入っていきます。
というわけで、次回は「アウトプット」を中心に書きます。
どうぞお楽しみに!
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