<おとといの続き>
おとといは「英作文の際は、なるべく簡潔な文を作るようにしよう」ということを書きました。
今日は英作文の際に心懸けることの「その2」です。
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2. 自然な文となるよう、Googleなどのオンラインコーパスをたくさん利用する。また、辞書も1つに絞らず、いくつもの辞書を引き比べてみる。
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今までにあまり使ったことのない英語表現を使う場合、それが「自然」な表現なのかどうか、迷うことがありますね。
そんな時は、「コーパス」というものを利用すると良いでしょう。
コーパス(corpus)というのは、「集大成」「集積」「言語資料」のことです。
まあ、カンタンに言えば「インターネット上の全てのウェブページで使われている文章」のことと思えば良いでしょう。
「Google」「Yahoo!」などの検索エンジンを使って調べたい英語表現を検索すれば、その表現が「どれだけのウェブページで使用されているか」を知ることができます。
例えば、次のページを使って、「black and white」という表現を調べたとします。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/google/
ここは「Google」での検索をしやすくするために誰かがインターフェイスを工夫してくれたページで、私も愛用しているページです。
このページを開き、2語以上の語句ならば「Phrase」のボックスに入力し、1語のみならその1つ上のボックスに入力します。
「black and white」は2語以上の句なので、「Phrase」のところに「black and white」と入れます。
そして、「Google Search」のボタンを押します。
すると、別ページが開き、「black and white」という表現を含んだ「ウェブページ」がざっと出てきます。
そして、その検索結果の画面の上の方に、「約 303,000,000 件 (0.18 秒)」のような表示が出てきます。(おそらくPC専用だとは思いますが。)
これは、「black and white」という表現を使ったウェブページの検索結果の「数」なのです。
「black and white」というのは、日本語では「白黒」という意味です。
日本語の「白黒」は、「黒白」と表現されることはあまりないですよね?
日本人の感覚では、「黒白」と言うよりも「白黒」と表現する方が自然と言えます。
では、日本語で「白黒」という順番ならば、英語でも「white and black」になるのではないか、と疑問に思いませんか?
そこで、今度は「white and black」で調べてみましょう。
先ほどと同じように、「white and black」と上記のページに入力して検索してみると、今度は「約 24,700,000 件 (0.50 秒)」のヒット、という結果がでました。
つまり、「white and black」よりも「black and white」の方が、「1桁多い数」のヒットがあったということになります。
このことから、「black and white」と「white and black」では、前者の方が「多数派」ということになり、単純に考えれば「より自然な表現」と読み取ることができるのです。
ただ、「white and black」も「2400万」もヒット件数があるわけですから、決して無視できるような数ではありませんね。
それでも「1桁多い」ということから、やはり「black and white」の方に軍配が上がると言って差し支えないでしょう。
もちろん、世の中には正しい表現ではない英文が使われているウェブサイトもたくさんありますから、シンプルにこの検索結果の数字を信頼して良いというわけではないかもしれません。
それでも、「白黒」という表現が「black and white」なのか「white and black」なのかを知りたいとき、こういう情報は「辞書」では載っていないことが多々ありますから、このようなコーパスでの検索結果が「一つの目安」にはなります。
以上のように、自分が使いたい英語表現が、「自然なのか否か」を知るために、オンラインのコーパスで検索してみる、という方法がとても有効です。
私(久末)は、国際会議の仕事などで公式文書を英語で書かなくてはならなくなった時には、いつもこの「コーパス」を使って確認します。
もし、自分が思いついた表現が、「文法的には正しい」と思われるものであったとしても、コーパスで検索してみたら「2件」しかヒットしなかった、となれば、それは「自然な表現ではない」かもしれないのです。
そういう時は、よりたくさんのヒット件数となるような別の表現を探すようにしています。
「多数派=自然」で、「少数派=不自然」と一概に言えない、と批判する人もいるでしょう。
ですが、何の手がかりもなく英語で表現していくことに比べれば、こういったツールを使った方が遥かに「自然な英語表現」に近づけることができますね。
オンラインのコーパス。
これは使わない手はありませんよ!
さて、もう1つの「辞書も1つに絞らず、いくつもの辞書を引き比べてみる。」については、また次回、詳しく説明しますね。
どうぞお楽しみに!
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