<前回の続き>
前回は「発音練習で意識すべきポイント」の2つ目について考えてみました。
<発音練習で意識すべきポイント>
1. 自分が出している音を、自分の耳でしっかり「聞こう」とすること。
2. 正しい音はこうだった、と探るよりも、「自分はこうやって間違えてしまいがちだ」ということに注意すること。
3. 丁寧に、ゆっくり発音すること。
4. 細部にこだわり、自分自身のことを緻密にチェックすること。
今回は「3」つ目についてご紹介します。
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3. 丁寧に、ゆっくり発音すること。
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これはとってもシンプル。
発音を練習する上で、とても大事なポイントです。
しかし、言うは易く行うは難し、という人もたくさんいます。
つまり、「丁寧にやれない」「ゆっくりやれない」という人がいるのです。
こういうのは、もう、人それぞれの「性格」や「気性」が関係しているものですので、なかなかコントロールできない部分かもしれません。
もともとが「せっかち」な性格の人はもちろんですが、意外に「のんびり」と思われる人であっても、発音練習の際にはスピードを落とせないことも多々あります。
なぜなら、「ゆっくりにする」というのは、そもそも難しいことだからです。
例えば、自転車に乗ることができる人なら、「ゆっくり走ること」がどれだけ難しいか想像がつくでしょうか?
えっ? 普段からゆっくり走るほうですって?
じゃあ、その普段のスピードを基準にして、その半分のスピードに落としてください、と言われたら、それは難しいはずです。
人は、「自分が普通にやるスピード」というものを基準にした時、そこから無理矢理スピードを落とそうとすると、たいていはイライラしたり、落ち着かなくなったりして、ある程度の「ストレス」がかかるものです。
そのストレスを無意識に嫌ってしまうと、誰かが無理矢理スピードを落とそうとしてくるのでなければ、自分にとっての「普通のスピード」を保つのが自然と言えます。
しかし、自分が慣れているはずの「普通のスピード」で何かに取り組んでいると、「見えるはずのものが見えない」とか「聞こえるはずのものが聞こえない」というような「見落とし」が出てくる場合があります。
そういう時は、シンプルに「スピードを落とす」ということを意識すると良いのです。
しかし「スピードを落とす=ストレスがかかる」という図式が顕著に現れてしまう人にとっては、「スピードを落とす」というのがとっても難しいのです。
前回、前々回でご紹介した「発音練習で意識すべきポイント」の1つ目と2つ目を「自分」でチェックしていくためにも、「スピード」を落とすということがとても大事です。
時速40キロメートルで直進している車に乗っていて、事故を起こしそうな交差点に近づいたらグッとスピードを落とすのは当たり前の話。
英語を発音しながら、「自分が間違えそうだな」というポイントにさしかかる手前辺りからグッとスピードを落とす、ということを実践できれば、自分の音を自分で聞いて、自分の間違えそうなポイントを確実に自己チェックすることができます。
うちの生徒たちが教室で発音練習をしているのを観察していると、「スピードを落とせない」ということが原因で自己チェックができていない、という人が50%近くいます。(もっといるかも)
そういう人には、私は何度も「丁寧に、ゆっくり発音してください」と指摘します。
そう指摘されて、自分で「あ、また早くなっちゃった」と反省しても、知らず知らずにまたスピードが速くなってしまうこともあるのです。
ゆっくりにすることが意外に難しいということを理解して、その上で、「丁寧に、ゆっくり」を心懸けると良いでしょう。
是非意識してみてくださいね。
<続く>
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