(「残念な英語学習法」シリーズ過去記事はこちら)
英語学習において、「音読」はとても効果的です。
英語だけではありません。他の言語であっても、「音読」という学習方法は、他の方法と比べていくつもの点で優れています。
しかし、その「音読」も、頭の中でいくつかのことを「意識」しなければ、もしかしたら「ゼロ」と言っていいほど効果が見込めなくなってしまうかもしれません。
では、「音読」をしながら、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか?
<アメブロからの続きはここから>
前回までに、音読をする前、あるいは音読をしながら注意すべき点について説明してきました。
まとめると、次のようになります。
1. お手本の音(CDなど)をよく聞く。
2. 発音記号を調べる。
3. 英文の意味を理解する。
4. 英文の構造を文法的に理解する。
以上のことをした上で音読に取りかかれば、そうしない場合と比べて、音読の効果が何倍にも、何十倍にもなります。
改めて、上記の4つについて、別のまとめ方をしてみます。
「言葉」というものは、「音」になります。
また、「言葉」というものは、「文字」にもなります。
さらに、「言葉」というものは、「文法(文の構造)」の法則によって並べば「文」となります。
はたまた、「言葉」というものは、人の頭の中では、その言葉が表す「イメージ(映像)」にもなります。
このことを「母国語」である日本語で考えてみましょう。
例えば、次のような文があったとします。
■私の姉は、若かりし頃のオードリー・ヘプバーンよりも美しく、また私の兄は若かりし頃のアラン・ドロンよりもハンサムだ、というのは私の単なる幻想に過ぎない。
これは「文字」で書かれた言葉ですが、言葉であるのですから、当然「音」に変換することができますね。
さらに、「文字」を「音」に変えるだけではありません。
この文の構造(=文法)というものも、日本人ならば理解できますね。
後半の「というのは」という部分は、つまり、その前に書かれている「私の姉は…ハンサムだ」までの部分全体のことを指しているのです。
また、「私の単なる幻想」という言い方も、「単なる私の幻想」という語順に変えても問題ありませんが、「幻想単なる私の」という語順には間違ってもなり得ない、ということも分かりますね。
このように「文法(=文の構造)」が分かっていれば、文の意味も分かってきます。
さらに、上記の文を読んだ時、頭の中には、「映像」も浮かびませんでしたでしょうか?
オードリー・ヘプバーンやアラン・ドロンを知らない人は、誰でもいいので美男美女を思い浮かべて当てはめてみてください。
知っている人は、懐かしの美男美女の「顔」や「雰囲気」などが、頭の中で「イメージ(映像)」として浮かんだのではないでしょうか。
つまり、「言葉」というものは、「文字」と「音」と「イメージ」によって成り立っているものであり、それを「文法(=文の構造)」のルールに従って並べていけば「文」になるのです。
これを「音読」という学習方法に当てはめて考えてみましょう。
「音読」というのは、「文字を見て、それを音にする」という行為です。
つまり、「音のお手本」と「発音記号の法則」が分かっていればできてしまいます。
しかし、「文字」と「音」だけではダメなのです。
「文字を音に変換する」というプロセスの中に、「文法(=文法構造)」を理解するということを意識しながら、同時に、頭の中で、その文の内容を「イメージ(映像)」として映し出していかなくてはならないのです。
要するに、「文字」と「音」と「イメージ」と「文法(=文の構造)」の4つを同時に意識することが大切なのです。
これはなかなか大変です。
頭の中がとても忙しくなるのですから。
でも、頭の中を忙しくさせないで、ただ「文字を音にする」という作業を繰り返しても、そこから「使える言語」には発展していくことはないでしょう。
たかが音読、されど音読。
音読をしながら、頭の中でいろいろなことを意識する。
最初は誰にとっても簡単ではありませんが、難しさを感じた上で、それでも繰り返していくことが大切です。
ぜひ、意識してみてください。
<続く>
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