遅くなってしまいましたが、<前回(昨日)の続き>を書きたいと思います。
英文法に出てくる「修飾する」という表現。
学校はおろか、ネット上でも、「修飾する」ということに関しては「中途半端」な説明がたくさん見られます。
昨日の話では、「修飾する」という言葉の説明としてよく見られるのは、以下の3つだということでした。
A:『「修飾する」とは、「言葉に飾りをつける」ことだ。』
B:『「修飾する」とは、「詳しく説明する」ことだ。』
C:『「修飾する」とは、「限定したり詳しくする」ことだ。』
1つずつ検証してみると、このどれも「いまいち」正しいものとは言えない、というのが昨日の結論でした。
では、「修飾する」ってどういうことなのでしょうか?
「走る」という言葉を「修飾」してください。
と言われたら、あなたはどのような事をしますか?
正解の例としては、以下のようなものが挙げられます。
1.速く走る
2.まっすぐ走る
3.ラクラク走る
4.本気で走る
5.だらだら走る
などなど。
「走る」という言葉を修飾してください、と言われたら、上記のようなことをやるのが正解です。
では、これは一体「何をした」ことになるのでしょうか?
上の5つの正解例のどれを見ても、「走る」という言葉よりも「前」に何かしらの言葉が置かれています。
ということは、「修飾するとは、言葉を前に置くこと」と言えるのではないでしょうか?
そうなんです、何をするのか、ということならば「言葉を前に置く」ということ、これが「修飾する」ということなのです。
しかし、「言葉を前に置く」とは言っても、どんな言葉でも良い訳ではありません。
「前に置かれる言葉」と「修飾される言葉」の間には、何かしらの関係がなくてはなりません。
では、上記の5つの例で前に置かれた言葉を見てみましょう。
「速く」「まっすぐ」「ラクラク」「本気で」「だらだら」
これらは何を表す言葉でしょうか?
そう、「走る」という言葉に対して、その言葉の「状態」や「状況」を表す言葉ですね。
つまり、「修飾する」というのは、次のようにまとめることができます。
『「修飾する」とは、「ある言葉の前に、その状態や状況を表す別の言葉を置く」ことだ。』
これが「修飾する」ということです。
「走る」という言葉の前に、その状態や状況を表す別の言葉を置いてください。
このように言われれば、上記の1~5のような例が出てくるのではないでしょうか?
「修飾する」という言葉は、英語教育の現場ではあまり真剣に説明されないようですが、もしもきちんと説明するなら、上記のようになるはずです。
ただし、この説明でも、1つ足りません。
それは、世界の他の言語では、必ずしも「前」に置かれるとは限らないという点です。
日本語では、正しい表現ならば、修飾する言葉は、必ず修飾される言葉の「前」に置かれます。
この順序が逆転されることは、正しい日本語では、絶対にありません。
ということは、「修飾する」の意味をきちんと説明すると、「日本語では」という但し書きを添えなくてはなりません。
そうすると、しつこいようですが、「修飾する」というのは以下のように説明できます。
『「修飾する」とは、日本語で考えた時に、ある言葉の「前」に、その状態や状況を表す別の言葉を「置くこと」である。ただし日本語以外の言語では、必ずしも「前」に置くとは限らない。』
なんだか理屈っぽいと思うかもしれませんが、ここまでやってようやく「修飾する」ということの意味を説明することができました。
ところで、「修飾する」という言葉ですが、どうして「飾る」などという言葉が使われているのでしょうか?
これについては、また明日、説明しますね。
(連日このテーマで恐縮ですが。。。)
どうぞお楽しみに!
<続く>
※記事をお楽しみ頂けましたら、以下のランキングにご協力をお願いします。
ポチッと押して頂ければ嬉しいです。(久末)