たくさんの仕事に追われ、自分の時間や生活を犠牲にしてしまっている人、あなたの周りにもいませんか?
一時的な繁忙期というのならば良いかも知れませんが、「オーバーワーク」の状態が慢性化してしまうと、自分だけでなく家族や友人などにも大きなストレスとなります。
どうしたら「オーバーワーク」の状態から抜け出すことができるでしょうか?
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前回、オーバーワークを改善していくためには「1. やるべきことを全て紙に書き出す」と「2. これからの予定を事前に紙などに書いておく」という2つをやるべきだ、と書きました。
この2つは、時間管理をしようとするならば、基本中の基本といえることです。
しかし、「紙に書く」ということをしないで、なんとか仕事をこなそうとしている人もいます。
そういう人は、自分の頭で処理できる程度の分量までならば問題ないかもしれませんが、それよりも量が増えてしまうと、途端に「オーバーワーク」となる可能性があります。
なぜ、「紙に書く」ということができないのでしょうか?
おそらく、そこには次のような心理が働いているのではないかと想像できます。
『紙に書く時間があるなら、1つでも仕事を進めた方が良い!』
確かに、その気持ちは、よく分かります。
「やるべきことを紙に書き出す」には、最初はそれなりの時間がかかることでしょう。
人によっては、30分、あるいは1時間近くかけないと、「やるべきこと」を全て紙に書き出せないかもしれません。
しかし、30分〜1時間ほどの時間を使ってでも、「やるべきことを紙に書き出す」という行為は絶対に必要です。
さらに、やるべきことを書き出すだけでも不十分です。
やるべきことをランダムに紙に書き出したら、今度は、それらを「いつ」やるか、決めておかなくてはなりません。
「1つ1つの仕事」に対して、「何時に始め、何時に終える」という予定を立ててから仕事に取りかかると、「終わる目標時間」を気にしながら仕事を進めることができます。
「終える目標時間」を持っていれば、多少の前後はあったとしても、およそその時間当たりで仕事を終えられます。
しかし「終える目標時間」を持たずに仕事に取りかかると、「急いでやっている」という自覚はあっても、何となく自然に終わった時間が終了時刻ということになります。
さらに、予め仕事の順番を決めておけば、1つの仕事が終わった後で、「さて、次に何をやろうか」ということを考えなくて済むようになります。
何をいつやるかを決めないで仕事に取りかかると、1つの仕事が終わる度に、「次は何をやろうか、あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ!」というように、無意味に「時間に追われる」ような気分になりがちです。
先に何をいつやるかを決めておけば、そういう「焦り」はだいぶ緩和されます。
「やるべきこと」が複数あっても、「これは後でやると決めてあるから、今は別のこの仕事をやっても大丈夫」というように、安心して目の前の仕事だけに集中することができるのです。
『紙に書く時間があるなら、1つでも仕事を進めた方が良い!』
という考え方は、その瞬間の感情的なものと言えます。
もっと広い目で、あるいはもっと長い時間のスパンで見通してみれば、「先に決めておく」ことのメリットがどれほど大きいか分かるはずです。
その場限りの「今は何も考えず、とにかく仕事をやろう!」という考え方が、ますます自分をオーバーワークの状況に閉じ込めていくのです。
「紙に書き出す」というのは、できれば、仕事を始める「前日」までに終えておくようにすると良いでしょう。
例えば、「日曜日」の昼ごろ、1時間ほど使って「やるべきこと」と「時間のスケジュール」を書き出しておくのです。
そうすれば、「月曜日」からの仕事の質が全然違ってきます。
さて、「紙」に書き出して、それに従って仕事を始めたとしても、なかなか予定通りにはいかないものです。
予定通りにいかなくて、そこで行き詰まってしまう人も多いと思います。
次回は、その辺りについて考えてみましょう。
<つづく>