日々英語学習に励んでいる皆さん、お疲れ様です。

英語ができるようになりたいと思い、生活の中で様々な努力をしていることでしょう。

しかし、英語学習に時間を費やし、労力を費やし、お金を費やし、精神力を費やしても、時に、人はなかなか自分の成長を実感できないことがあります。

思うように成長できなくて苦しい。

本気で、一生懸命に取り組んでいる人ほど、そういう事態に陥る可能性が高いものです。

そんな時はどうしたら良いでしょうか?

今日は、私の経験も交え、少しばかりのヒントをご紹介したいと思います。

 

<アメブロからの続きはここから>

 

あれは、私が16歳の頃でした。

高校2年生の夏休みの8月下旬から、翌年の6月下旬まで、およそ「10ヵ月」の間、私はアメリカオハイオ州に語学留学をしました。

日本の学校は1年間休学しましたので、帰国後は再び高校2年生のクラスに入りました。

そんなに長い期間親元を離れて暮らすのも、外国で暮らすのも、私には初めての経験でした。

アメリカに渡ってから最初の1〜2ヵ月の間は、色々なことが珍しく、カルチャーショックもあり、めまぐるしく時が過ぎていきました。

まあ、それなりに楽しく過ごしていたのです。

ところが3ヵ月目に入り、アメリカでの生活もだいぶ落ち着いた頃、私は少しずつ「自分があまり成長していない」ということに焦りを感じるようになりました。

「あと7ヵ月したら、日本に帰らなくてはならない。その頃には、本当に自分は英語ができるようになっているだろうか?」

そんな不安が私の頭の中を少しずつ支配するようになりました。

日本の家族、学校の先生方や友人達は、きっとみんな、英語をペラペラと話せるようになっている私を想像し、期待して待っていることでしょう。

そんな期待に、本当に自分は応えることができるのだろうか?

10ヵ月の留学生活を終えても、たいして英語ができるようになっていなかったらどうしよう?

不安と焦りが、私の中でだんだん大きくなっていきました。

ところがそれとは裏腹に、私の英語力は、本当になかなか成長していきませんでした。

不安と焦りで押しつぶされそうになり、私は「英語を話す」のが本当に嫌になってしまいました。

人と話すのが嫌で、辛くて、実際に私は人との会話をしないように過ごすようになりました。

ちょうど渡米してから3ヵ月目の頃の話です。

学校でも、なるべく人と目を合わさないようにしていました。

そんな私の姿を見て、アメリカ人の先生方や友人達は心配して色々と私に話しかけてきてくれました。

でも、その全てが「英語」なのですから、私には本当に辛かったのです。

英語が分からなくて困っているのに、私を助けてくれようとする人達はみんな「英語」で話しかけてくるわけですから。

逃げ出したいような気持ちにもなりました。

そして、実際に、私は現実から逃げるように、人との会話を避けてしまいました。

3ヵ月もアメリカにいるのに、全然英語ができるようになった気がしない。

思うように成長できないというのは、本当に苦しいものです。

こういうことは、経験してみないと分からないかもしれません。

こういう時、一体、どうすれば良いのでしょうか?

きっと、答えは1つではありません。

ですが、私が私自身の経験を通じて獲得した答えは、「開き直って、現実を受け入れる」ということでした。

英語が分からない、でも分かりたい。

「理想」と「現実」が乖離していると、人はイライラしたり、不安になったり、焦りを感じたりします。

「現実」の方をどうにかして「理想」に近づけようとしても、「現実」というものはそう簡単には変わりません。

そこで、「現実」の方を変えるのではなく、「理想」の方を変えるということです。

「現実」を受け入れて、「今の自分は理想通りではない」ということを受け入れるのです。

ただ、当時16歳だった私には、これを受け入れることは簡単なことではありませんでした。

今の私ならば「現実を受け入れれば良い」ということを簡単に言ってしまいますが、当時の私は、もし「開き直って現実を受け入れなさい」と言われたとしても、たぶんそう簡単には受け入れられなかったように思います。

ですが、そういう苦しい状況が1ヵ月ほどたった頃、私は自然と、自分から「開き直って、現実を受け入れる」ということをやり始めました。

誰かに言われたわけではなく、自然とそうせざるを得ないと感じるようになったのかもしれません。

そもそも「開き直る」ということは私には簡単ではありませんでしたが、それでも、少しずつ、1つずつ、「開き直る」ということをやるようになっていったのです。

そうしたら、少しずつ、楽になっていきました。

自分を苦しめていたものは、「自分のプライド」というものであり、「理想を捨てられない自我」というものだったように思います。

厳しい環境の中に身を置いて、これ以上ないくらいの努力をしているのだとしたならば、現実が自分の理想とは違っていたとしても、それは決して「自分のせい」ではないのです。

人の成長というものにはそれなりの「時間」がかかります。

自分の成長のスピードを、自分の意志によって速めることなどできるのでしょうか?

自分のツメや髪の毛が伸びるスピードを、自分の意志で速めることなどできるでしょうか?

そんなことは誰にもできません。

これ以上ない環境で、これ以上ないくらいの努力をしているならば、もはやそれ以上にはできることはないのです。

あとは、開き直って、現実を受け止めるだけです。

それができた時、人は、次のステップへと進むことができるようになります。

実際、「開き直って、現実を受け入れる」ということをやり始めた後、私は再び、人と会話をするということができるようになっていきました。

だから今、もしも英語学習をしている人が、これ以上ない環境で、これ以上ない努力をしているにも関わらず、なかなか成長できないで苦しんでいるのだとしたら、あとはもう開き直るしかありません。

自分は悪くない。自分のせいではない。

変わるはずのない現実を変えようとして苦しんでしまい、足が止まってしまえば、ますます成長から遠ざかってしまうことでしょう。

開き直り、現実を受け入れ、淡々と歩き続けていく。

そのうち、知らぬ間に自分が成長していることに気がつくことでしょう。

英語学習者の皆さん、焦らず、じっくり行きましょう!