<前回の続き>

(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズの記事一覧はこちら。)

「できる人」というのは、頭を使って「考える」ことができる人です。

それは勉強だけでなく、スポーツ、楽器演奏、人とのコミュニケーションなど、あらゆる事柄に通じます。

「考える」ということは、「問われる」ということをきっかけにして始まりますから、「自分で自分に問いかける」ということができれば、「考える」という練習をたくさんすることができますね。

前回、自分に問いかけるためには、「疑問詞」を使うと良いと書きました。

英語の疑問詞には、「疑問代名詞(who, whose, whom, which, what)」と「疑問副詞(when, where, why, how)」の「合計9つ」があります。

このうち、「why」については、他の疑問詞にはない特殊性があります。

それは一体なんでしょうか?というところで前回は終わりました。

「why」という疑問詞から作られた疑問文は、他の疑問詞から作られた疑問文とは大きく異なります。

まず、「why(なぜ)」から始まる疑問文に対する答えは、たいてい「1つ」ではありません。

答えが1つしかないこともあるでしょうが、多くの場合は、答えが1つに絞られません。

何か問題が発生し、その問題の原因を探ろうとした時、「why」という言葉が使われます。

しかし、「why」で尋ねられた質問に対する答えが1つしかないということは稀です。

例えば、自分の部下が、仕事でミスをたくさんしたとしましょう。

普通の人ならば1~2個のミスで終わるところ、彼は毎回10~20個ものミスを犯してしまう。

「なぜ彼は、これほどたくさんミスをするのだろう?」

これに対する答えには、どのようなものが挙げられるでしょうか?

1. 急いでやったから。

2. やった後で、確認をしなかったから。

3. なんのためにその仕事をやっているのか、よく理解していなかったから。

4. ミスをしたところに関しては、誤った解釈をしていたから。

5. ミスのことなど気にも留めようとしていないかったから。

私がパッと思いつくのは以上の5つですが、もっと考えれば、6つ目、7つ目、あるいはそれ以上の答えも出てくるかもしれません。

ここで大切なのは、「答えは1つではないかもしれない」と疑ってみること。

自分が最初に思いついた1つ目の答えだけで「満足」してしまうと、2つ目以降の答えは出てきません。

「他にも答えがあるはずだ」と疑うことができれば、「考える」ということを継続することができます。

このように、「why」という疑問詞を使った疑問文というのは、「複数の答えを見つける」ということをするためには、大変良い訓練となるのです。

他の疑問詞、「who」「whose」「whom」「which」「what」「where」は、「複数の答えを見つける」という訓練には向きません。

これが「why」という疑問詞の持つ特殊性です。

しかし、「why」の特殊性はこれだけではありません。

次回は、もう1つの特殊性について考えてみましょう。

<つづく>

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