時間をうまく使う人を観察していると、どうやら、1つの仕事を「細かく分ける」ということが上手のようです。

逆に、時間をうまく使うことができない人は、1つの仕事を「大きなかたまりのまま」こなそうとしてしまう傾向があるように思われます。

どんなに大きく見える仕事も、必ずもう一回り小さな仕事に分けることができます。

そして、一回り小さくなったそれぞれの仕事も、さらにもう一回り小さくすることができたりします。

そうやって、最初は大きなかたまりだった仕事も、「細かく分ける」ということをしていくと、いくつかの「小さな仕事」になっていきます。

大きな岩山を動かそうとしてもなかなか動きませんが、

小さく砕いていけば、人の手で動かすことができるようになります。

もちろん、大きな岩山を動かすのには「時間」も「労力」もかかりますので、それを「細かく分ける」ということをしたからと言って、結局は「時間」も「労力」もかかってしまうは同じことです。

ところが、「大きな岩山」を動かすには「重機」が必要だったり、「大人数」が必要だったりします。

そのことにより、「重機」や「大人数」が用意できないうちは、「少しも動かすことができない」ということになってしまいます。

「細かく分ける」ことさえできれば、「少しも動かすことができない」という事態には少なくともなりません。

これと同じで、「大きな仕事」も、細かく分けていくことができれば、「全然動かない」という状況だけは回避することができます。

細かく分けていくことで、「カンタンにできる部分」が浮き彫りになれば、ちょっと空いた時間にそういう仕事を割り当てていくことができるのです。

また、大きな仕事を細かく分けて「小さい仕事」にしておけば、自分がこなすのがカンタンになるだけでなく、「人に任せる」のもカンタンになります。

「人に任せる」ができない人に関しては、前にも書きましたね。

周りに人がいるのに、人に仕事を任せられない原因の一つに、「大きな仕事のまま扱っているから」ということも挙げられます。

大きな仕事をいくつかの「小さい仕事」に分類することができれば、その一部については「人に任せる」ということができるようになるかもしれません。

さらに、人から仕事を頼まれる時も同じです。

人から仕事を割り振られたり、頼まれたりする際に、「大きな仕事のままこちらに渡さないで、いったん細かくしてから、こちらに渡して下さい」と相手に伝えれば、自分がやる必要のない仕事まで引き受ける必要はなくなります。

大きな仕事がやってきても、「その仕事のうち、確かにこの部分は私がやるのが良いですね。でもそれ以外は私じゃなくてもやれるでしょう。他に回して下さい。」と言うことができるなら、もしかしたら、それは相手にとってもプラスかもしれません。

このように「大きな仕事」を、「大きな仕事のまま」で扱うのではなく、「小さな仕事」に分けてから扱うと、驚くほどスムーズに仕事が流れて行くことがあるのです。

是非、自分の仕事を見直してみて、このことを意識してみましょう。