先日のアメリカ旅行で使った財布をふと覗いてみたら、アメリカの硬貨(コイン)が出てきました。
今回はほぼ米ドルを使い切ったので、残り約10ドル程度でした。
アメリカの硬貨には、全部で6種類あります。
しかし、日常的に見られるのは4種類です。
以下の写真をご覧下さい。
左から、
1セント硬貨(愛称:ペニー「penny」)
5セント硬貨(愛称:ニッケル「nickel」)
10セント硬貨(愛称:ダイム「dime」)
25セント硬貨(愛称:クウォーター「quarter」)
となっています。
これ以外に「50セント硬貨(ハーフダラー)」や「1ドル硬貨(ダラーコイン)」などがありますが、今の日本での「二千円札」のように、市場にはあまり出回っていないようです。
さて、上の4つの硬貨には、それぞれ「愛称」があるのですね。
日常的にも、
「Do you have a dime?(あなたは10セント硬貨を持っていますか?」や
「I need two more quarters.(私は25セント硬貨をもう2枚必要としている。」
のように「愛称」で表現されるのが普通です。
そして、それぞれの硬貨の反対側は以下のようになっています。
反対側には、歴代のアメリカ合衆国大統領の「横顔」が描かれています。
じつはこっちが「表」で、最初にご紹介した写真は「裏」なのです。
この「横顔」、つまり「頭」の絵のある面は、一般的に「heads」と呼ばれます。
「head」というのは「頭」という意味ですね。
これが複数形となって「heads」となっているのです。
ん? でも待って下さい?
1つしか頭の絵が描かれていないのに「heads」という複数形になるのはどうしてでしょうか?
ジーニアス英和辞典(第4版)によれば、次のように書かれています。
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head (名詞)
5. [通例 ~s; 単数扱い](硬貨の)表
<◆表に王・女王の頭像のあることから>(←→tail)
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つまり、私もよく分からないのでこれは推測なのですが、おそらく、遙か昔の硬貨には「王と女王」の2人分の「頭像」が描かれていたのがそもそもの始まりで、その頃に「heads」という複数形で呼ばれていたのではないでしょうか。
その名残から、現代のアメリカの硬貨のように「1人の大統領の頭像」であっても、慣用的に「heads」という複数形で呼ぶようになったのではないかと想像できます。
ちなみに「heads」の反対側は「tails」となります。
「tail」というのは「尻尾」という意味です。
これは特に「尻尾の絵」が描かれているわけではなく、単に「head(頭)」に対して「tail(尻尾)」という意味で対称的にそう表現されるようになったものと思われます。