中学生、あるいは今では小学生も含まれるかもしれませんが、とにかく、「英語初学者」であるならば、素直に「5級」から学習し始めることでしょう。
しかし、「英語初学者」ではなく、「高校生」や「大学生」や「大人」など、「ある程度学習を進めた人」については注意が必要です。
おそらく、このような人達にとって、「英検5・4・3級」の単語というものは、「見れば分かる」というものばかりです。
「この辺の単語は知っているから、今更やり直す必要はない。」
そんな風に感じてしまい、「自分が今から取り組むなら、英検準2級か、あるいは2級くらいかな?」と思ってしまう人は多いと思います。
しかし、3級、あるいはそれよりもレベルの低い初級の易しい単語をおろそかにしてしまうと、かえって「英語が苦手なまま」となってしまう可能性があります。
「英語が苦手な人」は、「英文を読み取って理解することが苦手」ということも言えるかもしれませんが、それ以上に「英語で文を作ることが苦手」な人であるとも言えます。
「英文を理解すること」と「英文を作ること」を比べると、前者が「インプット」であり、後者が「アウトプット」であると言えます。
どのようなことであっても、「インプット」よりも「アウトプット」の方が難しく、レベルが上です。
そして、レベルが上のこと(=アウトプットの能力を身につけること)ができてようやく「そのことが身についた」と言えます。
英検5級、4級、3級といった「易しい単語」について、「英単語を見れば意味が分かる」というのは、言い換えるならば「インプットができる」という話です。
では、同じレベルの単語を、全て「英単語」としてアウトプットすることができるでしょうか?
ここでのアウトプットとは、「スペル」としてきちんと書くことができるだけでなく、「正しい発音」で発することができるかどうか、ということです。
「英語が苦手な人」の多くは、英検5級、4級、3級といった易しいレベルの単語を「きちんとアウトプットすることができない」という点で共通しています。
そういう人達が、5級、4級、3級あたりの単語をすっ飛ばして、「自分は準2級あたりから始めよう」としても、結局、易しい単語をアウトプットすることができないがために、いつまで経っても「英語が苦手だ」という感覚を拭い去ることができないのです。
前回も書きましたが、ネイティブ達が書く英語の文章であっても、大半は、英検5級、4級、3級あたりの易しい単語です。
逆に、このような易しいレベルの単語を使わずには、英文を作ることはできません。
だから、英検5級、4級、3級あたりの単語はしっかりと身に付けなくてはなりません。
特に、学校を卒業してからずいぶん時間が経ってしまった「大人達」にとっては、英検5級、4級、3級程度の易しい単語の復習は必須です。
例えば、中学時代のクラスの集合写真を見せられて、あるいはクラス名簿を見せられて、「ああ、こんな人がいたな」と思い出すことができたとしても、そうした手がかりが全くないところから「クラスの全員の名前を思い出して言う」ということは誰にとっても簡単ではありません。
これと同じで、英単語を見せられて「ああ、こんな単語あったな」と思い出すことができたとしても、英検5級、4級、3級程度の単語を「自力で思い出す」ということができなければ、結局は使えないということです。
従って、学校を卒業して何年も経ってしまった人、あるいは高校生であっても中学時代の英語をすっかり忘れてしまっている人は、改めて5級、4級、3級あたりの「易しい単語」に戻り、同窓会でもやるような気分で、「易しい単語達との再会」を果たすべきです。
その際、前述の通り、「アウトプット」まできちんとやるように心がけましょう。
最初の易しいレベルの1,500個の単語のアウトプットをやり直し、ざーっと復習し直すだけでも、わりと英語が分かってくるものです。
決して、易しい単語を飛ばさないように注意しましょう。
さて、次回は「文法の学習」について書こうと思います。
どうぞお楽しみに!