「高校生」や「大学生」など、あるいは「中学2・3年生」など、あるいは「大人」も含め、「英語がすっかり分からなくなった」という人も多いことでしょう。

「中学2年生」ならばまだ大丈夫、と思うかもしれませんが、中学2年生であっても、そのまま放っておくと、すぐに「大変な状況」になり兼ねません。

学年や年齢に関わらず、「英語がすっかり分からなくなった」という状況に陥った人に必要なのは、「最初からの積み重ね」です。

「英文法が分かる」ということは、「英文を作ることができる」ということです。

「英文を作る」という「アウトプット」までできるようになって初めて「英文法が分かった」と言えるのです。

誰かが作った英文を「読む」あるいは「聞く」といった「インプット」の行為をして「分かった」というだけでは不十分です。

そして、前々回、前回も書きましたが、「英文法」というものは、全体象を把握しながら、「英文を作る」というところまでやる、ということによって身についていくものだと言えます。

まず、英文法のレベルを「中学校と高等学校の学年」によって大まかに分けると、以下のようになります。

英文法レベル1:中学1年生レベル
英文法レベル2:中学2年生レベル
英文法レベル3:中学3年生レベル
英文法レベル4:高等学校・前半レベル
英文法レベル5:高等学校・後半レベル

実は、この分類は、「実用英語技能検定(通称、英検)」のレベル分けと同じです。

上記のレベル分けで見ると、上から「英検5級、4級、3級、準2級、2級」です。

英語に多少の興味がある人は、「英検」を受験し、あるいは「合格」までしている人もいることでしょう。

自分が合格している英検の「級」というものが、自分の英語力の目安になる、ということは言えなくもありません。

ところが、その目安が、「実際の実力」とは大きくかけ離れている、というケースも多々あります。

多々あります、どころか、もしかすると、90%以上の人が「実際の実力」と「取得している英検の級」との間に大きな隔たりがある、と言えるかもしれません。

現に、本校にやってくる人達の中で、「自分は英検○○級を持っています」と言いながら、それに見合う実力があると思われる人は「ゼロ」に等しい、というのが私の見解です。

実は、このことが「誤った英語学習法」を取り入れてしまう原因かもしれません。

仮に、「英検3級」を持っている中学3年生がいたとしましょう。

3級を取得しているにも関わらず、実際には、3級程度の文法を使ってスラスラと英文を書ける、という人はほとんどいません。

にも関わらず、その人は、「自分は3級まで持っている。だから今更、4級や5級の勉強なんて、馬鹿馬鹿しくてできない。むしろ、さらに上の準2級を目指したい。」と思うことでしょう。

3級の実力がある、ということと、3級を取得している、ということは同じことではありません。

だから「本当に実力をつけたい」のであれば、3級レベルの英文をスラスラと作れるようにならなくてはなりません。

そこで必要なのが、「最初からの積み重ね」なのです。

英文法レベル1は「中学1年生レベル」であり、「英検5級レベル」です。

このレベルは、「ラーメンを作ること」に喩えるならば、「麺とスープを作る」というレベルです。

「麺とスープ」をきちんと作ることができれば、仮に「具」が何もなかったとしても、それは「ラーメンである」と言えます。

これに対し、英文法レベル2〜5は、ラーメンの上に乗せる「トッピング」のようなものです。

トッピングがあれば、ラーメンはさらに美味しくなるでしょうし、見栄えも良くなることでしょう。

しかし、いくらトッピングを充実させることができても、「麺とスープ」をきちんと作ることができなければラーメンにはなりません。

「麺とスープ」を作り、「ラーメンの土台」となるようなものができあがらなければ、立派なトッピングも役には立たない、ということです。

そこで、まず「中1レベル」の英文法を使い、自力で「正しい英文」を作る、というトレニーングを繰り返し行うことをオススメします。

特に英語が分からなくなった中2以降の人達には、最初の中1レベルの文法を学び直し、しっかりと「理解」にした上で、「英文を作る」というアウトプットが必要です。

これをやるだけでも、意外に「英文を作る」ということが簡単にできるようになったりします。

「単語」の話をした時にも言及しましたが、言語というものを身につけていくには「最初の基礎」が肝心です。

中1レベルの英文法を使い、スラスラと英文を作り出していくという練習を繰り返した後であれば、トッピングである中2以降の英文法に手を出しても問題ありません。

英検のどの級を取得していようとも、「英語をしっかり身につけていく」ということを目標とするならば、「最初からの積み重ね」をしっかりとやることが、長い目で見て、かえって「近道」となります。

 

さて、次回は、「文法」はどこまで学ぶべきか、ということについてお話しします。
どうぞお楽しみに!

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