町を歩いていると、「変な英語」に出くわすことがあります。
そんな「変な英語」は、英語を正しく理解しようとする人にとっては「混乱」を引き起こす可能性もあります。
そんな「変な英語」を少しずつご紹介しながら、正しくはどのように表現すべきか考えてみましょう。
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先日、車を運転していたら、背面に「Idling Stop」という文字が書かれた車が目の前を走っていました。
「Idling Stop」というのは、日本語でも「アイドリングストップ」という表現で馴染みがあるかと思います。
「idling(アイドリング)」というのは、車のエンジンが「空転している」ということを表します。
「空転」つまり「無駄に回っている」ということです。
信号待ちなど、車自体は停車していても、普通はエンジンはかかりっぱなしですね。
そのように車が停車している時に無駄にエンジンが回っている状態のことを「アイドリング」というわけです。
なので、「アイドリングをやめよう」ということを表現するために、「アイドリングストップ」という言葉が生まれたものと思われます。
この場合の「ストップ」は「やめる」という意味なのでしょう。
しかし、英語で「idling stop」という表現を耳にすると、おそらく知らない人は全く「逆」の意味で捉えてしまうことでしょう。
英語として自然に解釈すると、「idling stop」というのは「アイドリング(空転)した状態のまま停車する」というように受け取られてしまいます。
つまり、「無駄にエンジンを回したまま停車する」ということになり、本来の意味とは逆になってしまいます。
「stop」という言葉を「やめる」という意味で捉えるのではなく、「停車する」という意味で捉えてしまうのです。
というわけで、「idling stop」という表現は英語にはありません。これは完全な和製英語です。
カタカナで「アイドリングストップ」と書くならまだしも、わざわざ英語のスペルで「Idling Stop」なんて書くというのは、なんともおかしな表現です。
敢えて英語で書くなら「no idling」あるいは「less idling」のようにすべきと思います。
実際、海外では「idle-stop system」のような表現があるようですが、「idling stop」という表現は避けられているようです。
「idling stop」というのは、英語では混乱を招くような表現なのです。