日本人が英単語を覚えようとする時、当然、「日本語」に置き換えて覚えることでしょう。
しかし、単に「日本語」に置き換えてしまうと、その英単語の「本来の意味」が失われてしまうことがあります。
英単語の「本来の意味」がよく見えるような日本語に訳しておくと、実際に英語で文を作ろうとする時にとても役に立ちます。
さて、今日は「any」という言葉について考えてみましょう。
中学校では、「any」という言葉を「なんとなく」の感覚で教えているようです。
例えば、「someが使われている肯定文を、疑問文や否定文に変える時には、someをanyに変えよう」のような具合です。
この教え方は、ざっくり言えばそれで良いのですが、だからといって、なぜそうなるのかという説明が欠落しています。
また、この説明をそのまま信用するならば、「some」が「いくつか」という意味なのだから、「any」となっても同じように「いくつか」という意味になるのではないか、という誤解を招きます。
しかし、「any」を「いくつか」という意味で解釈してはいけません。
<アメブロからの続きはここから>
まず、「any」は「有無」を表す言葉です。
「あるのか、ないのか」ということを表す場合に「any」という言葉が使われるのです。
「あるのか、ないのか」を表すのですから、「any」は「疑問文」で使われるわけです。
例1: Do you have any questions?
この文における「any」は、「いくつか」という意味ではなく、「あるのか、ないのか」を尋ねる意味で使われているにすぎません。
敢えて「any」を日本語に訳すならば、「少しでも」とすれば良いでしょう。
また、「any」は「有無」を表すので、「否定文」で使われる時には「無」を表します。
「無」というのは、つまり「少しもない」ということです。
少しもない、ということから、「any」の前に「not」がくっついた表現は、「no」という言葉に置き換えられます。
例2: We do not have any blankets here.
この場合の「not 〜 any」は、「少しもない」という「無」を表していますので、これを「いくつかの」と解釈してはいけません。
そして、最後に「肯定文」における「any」について考えてみましょう。
もともと「any」は「有無」を表すのですから、これが「肯定文」で使われる場合は「有」の意、つまり「ある」という意味を表します。
「無ではなく、有」ということを表す場合、「無でなければ、ほんの少しでも良い」という意味合いを含むようになります。
このことから、「any」が肯定文で使われる場合には、「少しでもあれば良い」とか「どのようなものでもあれば良い」というように、「少しでも」や「どのようなものでも」という意味を表します。
例3: You can read any book in this room.
この文での「any」は「どんな〜でも」という意味を表します。
これを「いくつかの」と訳してはいけません。
◎まとめ
「any」の基本的な意味は「有無」です。「any」が「疑問文」で使われる場合には「少しでも(ありますか?)」ということを表します。「any」が「否定文」で使われる場合には「少しも(ない)」という意味になります。そして「any」が「肯定文」で使われる場合には、「少しでも(あればOK)」という意味を表します。決して「いくつか」という日本語として解釈してはいけません。