「関係代名詞」が使われる文というのはどのような文でしょうか?
まずはそこから考えていく必要があります。
これまでの復習ですが、関係代名詞については、すべて以下のポイントが当てはまります。
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■関係代名詞には、「関係代名詞+その後ろに続いている部分」を「1つのかたまり」にする働きがある。このかたまり全体のことを「関係節」と呼ぶ。
■「関係節」の中には、必ず「主語+述語動詞」となっている部分が含まれている。
■「関係節」は、「関係代名詞の前に置かれた名詞を修飾する」という働きをする。この場合、修飾される名詞のことを「先行詞」と呼ぶ。
■「関係代名詞そのもの」は、基本的には「日本語には訳されない」。
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これをまとめてみると「主語+述語動詞」を含んだ関係節というものが、文中の「名詞」を修飾している、ということになります。
文の中には、たいてい「名詞」が入りますね。
名詞の代わりに「代名詞」が入ることもありますが、まあ、多くの文では「名詞」が入り込んでいるわけです。
そして、文の中に入り込んでいる名詞を「主語+述語動詞」を含んだ形で修飾したい、という時に「関係代名詞」が使われる、ということです。
例えば、「彼女はパンを売りたがっている。」という文があったとしましょう。
この文の中には「パン」という名詞があります。
「パン」というものは世界中にたくさんありますし、パンであればどんなものでもパンと言えます。
しかし、「主語+述語動詞を含んだ形」を使って「パン」を修飾すると、「パンの範囲」が狭くなります。
例えば、「彼女は彼女のお母さんが作ったパンを売りたがっている。」という文と比べて見ましょう。
元々は「彼女はパンを売りたがっている。」という文でしたが、ここに「彼女のお母さんが作った」という部分が入り込みました。
「彼女のお母さんが作った」というのは、「主語+述語動詞」を含んだ形であり、かつ、「パン」という名詞を修飾していると言えます。
「彼女のお母さんが作った」という部分によって修飾されることで、パンはパンでも、「世界のどんなパンでも良い」ということではなくなりました。
「彼女のお母さんが作ったパン」と「そうではないパン」に分けたうち、前者の方のみについて述べていることになるのです。
このように、「主語+述語動詞」を含んだ部分が、文の中の「名詞」を修飾することによって、その名詞の範囲を狭めるようなケースがあります。
そのようなケースで「関係代名詞」が使われます。
次回、いくつかの具体的な日本語の文を見ながら、1つずつ関係代名詞を使った英文を作ってみましょう。
どうぞお楽しみに!