「話し上手」になることは、人とのコミュニケーションを円滑にする上でとても重要ですね。
私も「話し上手」になりたいと常に願っている一人。
前回まで書いた内容を改めて読み返してみて、「は~、自分で書いておきながら、なかなか難しいな~」と思ってしまいました(笑)。
(過去記事の一覧はこちらからどうぞ。)
さて、今日は「似ている表現で繰り返そう」ということに関してご紹介します。
話し上手な人を観察していると、どうも「似ている表現」を使って、何度か繰り返し同じことを伝えていることがあるようです。
これは「繰り返し」によって、聞いている人の頭の中で「イメージを強化していく」という際の「助け」になるのですね。
例えば、相手に次のようなことを伝えたかったとします。
『この商品はとても重要なので、慎重に確認して作業してください。』
この表現だけで、相手にはこちらの意図が通じると言えば、まあ、通じるでしょう。
しかし、これを一度言っただけでその場を離れてしまうと、もしかしたらこの仕事を任された人は作業に慣れていくうちにだんだん雑になっていくかもしれません。
1時間経って戻って来てみて、どんな感じで作業しているかを覗いてみると、相当いい加減な感じでやっていた、なんてこともあり得ます。
そこで、最初の時に、「似たような表現で繰り返す」ということをしておくと、相手に届く印象が違ってきます。
『この商品はとても重要なので、慎重に確認して作業してください。』
『いつもやっているよりも、ゆっくり、お願いします。』
『普段よりも倍の時間がかかっても良いですから、丁寧にやってください。』
この3つは、結局は同じ事を言っていますね。
ですが、このうちの1つだけを伝えるのと、3つの表現で伝えるのでは、受け取る側の理解の深さや印象の強さが違ってきますね。
話し上手な人というのは、人に何かを伝える際に、「印象を強くする」という効果を狙うために、「似たような表現で繰り返す」ということを実践しています。
ところが人によっては、「同じ事を言うのは時間の無駄」「同じ事を2度言う必要はないぜ」などと思うかもしれません。
そう思ってしまう人は、「自分はわかっている」という前提でしか物事を観察できない人なのかもしれません。
聞いている相手、特に仕事をお願いしなくてはならない相手が、常に自分と同じくらいの理解力を持っているとは限りません。
もしかしたら、相手は理解力が低く、勘違いや思い違いをしがちな人なのかもしれません。
そういう可能性を常に考慮し、「もしかしたらこれだけでは十分に伝わらないかもしれない」というように「油断しない」人は、「似ている表現」を使って何度か繰り返し相手に伝えようと努力します。
もちろん、物事なんでもやり過ぎはよくありません。あまりやり過ぎると「くどい人」になってしまうので注意が必要です。
また、「全く同じセリフ」を繰り返す、というのも芸がなさ過ぎで、相手が飽きてしまい、かえって印象が弱くなる可能性もあります。
聞いている人が「もう十分にわかった」と言えるまで、そして聞いていて「飽きない」ように「少し異なる表現」を使って、何度か繰り返していくのがポイントです。
このことを日常で心懸けている人は、周りからみて、たいてい「説明が丁寧だ」と思われています。
逆に、1つの指示を出すのに、1つの表現でしか伝えない人は、「説明が足りない」とか「わかりにくい」と思われてしまっている可能性があります。
繰り返す回数としては、上記の例のように「3つ」か、あるいは最低でも「2つ」の異なる表現を使って繰り返すと効果があるように思います。
では、試しに「似たような表現で繰り返す」ということをやってみよう、ということになるのですが、慣れていないと、このことがうまくいきません。
なぜ、うまくいかないのでしょうか?
うまくいかない人には、どうやら1つの共通点があるようです。
長くなりましたので、続きはまた次回!
どうぞお楽しみに!
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