前回、「動詞の原形」は「未来」のことをそれとなく表すと書きました。

今日その続きを書きますね。

 

<アメブロからの続きはここから>

 

前回も書きましたが、「動詞」という品詞は、以下の6つの形に変化します。

1. 原形
2. 現在形
3. 過去形
4. 現在分詞
5. 過去分詞
6. 動名詞

このうち、「1. 原形」は、英文では主に以下のどれかとして機能します。

(a) 文頭に置かれ、「命令文」をつくる。
(b) 「助動詞」の後ろに置かれ、助動詞と共に「述部(v)」となる。
(c) 「to」の後ろに置かれ、「to不定詞」として機能する。
(d) 「知覚動詞(seeなど)」や「使役動詞(makeなど)」の目的格補語となる。
(e) 「仮定法現在」の用法として、従位節の中で「述語動詞(v)」となる。

これを読んだだけでパッと「ああ、あの用法ね」と全て分かる人は素晴らしいですが、なかなかそうもいきませんね。

まず押さえるべきは、(a)〜(c)の3つです。

この3つを見てみると、どれも「時間的な概念」というものは表していませんが、よくよく意味を考えてみると、動作そのものは「これから先の未来」に行われることを示唆しています。

例えば、「命令文」について考えてみましょう。

「Go home!(家へ帰れ!)」などと言う場合、実際に「go」という動作を行うのは「これから先の未来」です。

「過去」や「今」において「go」をしなさい、ということではありません。

もちろん、命令文ですから、「今すぐ」という意味を表すこともありますが、それでも「未来」を表すことには違いありません。

 

では、「(b)「助動詞」の後ろに置かれる」というのはどうでしょうか?

「will」という助動詞ならば、当然「未来」を表すことになります。

ところが、「will以外の助動詞」であっても、動作そのものは「これから先の未来」をぼんやりと表します。

例えば、「can(〜することができる)」を使った場合。

「You can stay here, if you like.(もしよかったら、ここにいてもいいですよ。)」というような文があったとして、この文での「can stay」の「stay」の部分は、動作としては「これから先の未来」のことを表します。

他に「may」や「should」や「must」なども同じです。

助動詞の後ろに置かれた「動詞の原形」は、たいてい、「これから先の未来」のことをそれとなく示すのです。

 

続いて、「to不定詞」も見てみましょう。

「to」という言葉は、「to不定詞」以外には、「前置詞」として機能します。

「前置詞」としての「to」は、「方向」や「到達」を表します。

その感覚は「to不定詞」も同じで、「to+動詞の原形」の形になった場合は、「その動作に向かっている途中である」ということを暗に示します。

例えば、「I want to eat something.(私は何かを食べたい。)」という場合、「want」は「今、この瞬間に強く求めている」という意味ですが、その後ろの「to eat」というのは、「これから食べるという動作に向かうということ」の意味となります。

つまり、「want to eat」は、「今は食べていないが、食べるという動作に向かうことを望んでいる」という意味を表し、これが引いては、「食べたい」という日本語として表現されるのです。

「to不定詞」には「名詞的用法」の他に「形容詞的用法」や「副詞的用法」などありますが、基本的な考え方はどれも同じで、「未来の動作に向かっている」ということをほのめかしている点では共通しています。

というわけで、「動詞の原形」というものは、それ自体がはっきりと「未来」を表すというわけではないのですが、「なんとなく未来に向かっている」ということを表すのです。

このことをイメージすることができると、例えば、「be動詞」が原形となっている場合の意味の解釈がよく理解できます。

また長くなったので、「be動詞」の話はまた次回に!

どうぞお楽しみに!

 

<続く>

 

 


 

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