<前回の続き>
英語に限らず、どんな外国語も、まずは「音」を入れるところから始めるべきです。
では、「音」を使った学習をしていくだけで十分か、と言えば、必ずしもそうとは言えません。
「音」は確かに、その言語の「全ての法則」に触れることになります。
しかし、その法則のほとんどは、自分の中では「根拠」のない、あやふやなものとなってしまうことが多いのです。
例えば、英語圏の国で長く生活していても、なかなか英語を覚えることができない人がいます。
そのような人は、多くの場合、「音」のみに頼った学習しかしていないのです。
そこで、「文法学習」の出番です。
私の知る限り、長いこと英語圏の国で生活した人の中で、基礎的な「文法」を学んだ人と、学ばなかった人では、身につく英語力が全く違ってきます。
基礎的な文法を学んだ人の場合は、半年や1年という短期間であっても、かなりの英語力を身につけて帰ってきます。
ところが、基礎的な文法も知らずに、やみくもに「音まね」だけで乗り越えようとした人は、仮に2年や3年、あるいはそれ以上の長い期間英語圏の国に滞在しても、たいして英語力が身につかなかったりします。
もちろん、長く滞在すれば、それだけ人との「コミュニケーション」の能力は向上するでしょう。
しかし、面と向かってのコミュニケーションでは、身振りや手振りや表情なども手伝ってくれるので、実際に「英語力」が高くなくても、なんとなく通じてしまうものです。
この違いがはっきりと見てとれるのは、「口頭」でのやりとりではなく、「文書」でのやりとりとなった場合です。
「文法」を学ばずに、ただ、「音」だけを頼りに英語圏での生活をした人は、「文書」でのやりとりが非常に苦手です。
そのことは、他人よりも、その人自身がよく分かっているはずです。
つまり、「文法学習」というものは、「音声学習」によって得られる効果を何倍にも高めてくれるのです。
それはどうしてでしょうか。
答えはまた次回!
<続く>
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