「時間の使い方を今よりうまくしていく」ためには、「今」のことを知らなくてはなりません。

「今の自分の力」を知ってようやく、「明日の自分の時間の使い方」について考えていくことができます。

では、「今の自分の力」を知るには、何をすれば良いでしょうか?

いくつかありますが、今日はまず1つだけ挙げてみます。

まずやるべきことは、今現在、自分がかかえている仕事を全て「紙に書き出す」ということです。

これは、非常にシンプルでありながら、意外に効果バツグンの方法で、時間をうまく使う人はほとんど全員、実践していることではないでしょうか。

「紙に書き出す」というのは時間管理の「基礎中の基礎」ですから、敢えてここで読まなくても「それくらい当然」と思っている人も多いことと思います。

ところが、「ほどよく記憶力の良い人」は、これを怠ることがあります。

そこそこ記憶力が良いことから、「紙に書き出す」という面倒くさいことをしないで、自分の頭の中でなんとか全てを処理しようとしてしまうのです。

こういう人は、仕事量がそれほど多くない時には全く問題ないのですが、いざ仕事量が増えてきた時には対応しきれなくなったりします。

仕事量が増えても、変わらずに「頭の中だけ」で処理しようとするので、どうしても「抜け」が出てきてしまうのです。

仕事量が増えてきて、自分の頭の中だけでは対処できないと少しでも感じたならば、一度、全てを「紙に書き出す」ということをしてみると良いでしょう。

「紙に書き出す」のではなく、「パソコン」などに入力している人もいますが、その辺りは特に個人の好き好きで構いません。

とにかく、すべてのやるべきことを「頭の外」に出すのです。

書き出す内容は、おおまかなことから細かいことまで、文字通り「全て」です。

日課となっている簡単な仕事から、日々変化する仕事まで、「全て」です。

「仕事」ばっかりではなく、「プライベート」のことについても同様に書き出しておくと良いです。

例えば、次のような感じです。

<仕事>
・M社のAさんに△△の件でメール(5月▼日までに)
・N社のBさんに原稿催促(5月▼日までに)
・□□の件で、▲▲に問い合わせ&調査(今週末までに)
・O大学のC先生に調査内容を報告(来週中)
・社内のD君に企画書作成を依頼
・領収書をまとめる(今週の分)
・部長に依頼されていた報告書の作成
・◎◎会議の議事録の作成
・7月のセミナー講師の宿泊予約
・7月のセミナー講師の交通費を経理部に申請する
・7月のセミナーの宣伝用チラシの版下作成&印刷依頼
・8月のセミナーの企画案を練る
・9月のセミナーの企画案を練る

<プライベートのこと>
・自動車保険の支払い(来週まで)
・銀行へお金を下ろしに行く
・マッサージへ行く
・ガソリンを入れる(あとわずか)
・今週の買い出し
・コンタクトを買いに行く
・友人のE君に飲み会の返事を出す
・友人のF君に飲み会の都合を聞く

たぶん、分量的にはこの何倍にもなると思いますが、サンプルなのでこの程度にしておきます。

もっと細かくしても構いません。

箇条書きでも良いので、なるべく細かく、自分がやるべき仕事を「全て」書き出しましょう。

ポストイット・付箋を使っても構いません。

「期日」や「締切」があるものは、それも一緒に書くと良いでしょう。

また、「こんなの書いてもしょうがない」と思えるくらい、わかりきった仕事も全て書き出しましょう。

手帳に書いても良いですが、私自身の場合はA3サイズの大きい紙をデスクに広げて、全ての「やるべきこと」が一目で分かるように書き出します。

もうこれ以上ない、と思えるくらい、自分の頭の中にあるものを紙に書き出すと、意外に「あれが抜けていたな」というものが出てきたりします。

全く書き出していない状態からだと、全て書き出すのに軽く30分近くはかかるかもしれません。それくらいの時間をたっぷり取って、じっくり「紙に書き出す」ということをやると良いでしょう。

そして、書き出したものを眺めながら、「今、自分はこれだけの仕事をかかえているのだな」と実感することが大切なのです。

さて、書き出してからどうするか、についてはまた次回に書きます。
とにかく、「紙に書き出す」ということを現在していない人は、是非実践してみて下さい。