前回、「音読」から「暗唱」へ高めると、ものすごい効果が得られるという話を書きました。
では、具体的に、「暗唱」というものはどのようにすれば良いのでしょうか?
多くの人が「誤解」している可能性がありますが、「暗唱」というものは「頭で覚える」というものではありません。
「暗唱」とか「暗記」とか聞くと、それだけでイヤになる!という人もいることでしょう。
しかし、「暗唱」や「暗記」は、基本的には「歌を歌う」ということに非常に似ているのです。
つまり、「頭」で覚えるのではなく、「耳と口」を使って覚えるのです。
まずやらなくてはならないことは、「文字から目を離さず」に、正しく何度も、繰り返し「音読する」ということです。
「文字から目を離さず」に何度も音読をしていると、そのうち、「口」が軽くなってきます。
この「口が軽くなる」という感覚は、その人自身にしか分かりません。
「口が軽くなった!」という感覚を自分で感じ取るまでは、決して、文字から目を離してはいけません。
それまでは、ひたすら、「忍耐」あるのみです。
そして、十分に口が軽くなった、と思えたら、ようやく、はじめて「文字から目を離して」発音してみるのです。
この時に、少しでも間違えたり、とちったりしたら、それは「口が十分には軽くなっていない」ということです。
「口が十分に軽くなった」という状況になれば、もはや、「文字」を見なくても、口が勝手に動いてくれます。
ちょっとやってみましょうか。
以下の文を、声に出して読んでみて下さい。
I never imagined that I could be a writer, because nobody had ever said that to me before.
おっと、声を出す前に、意味を理解しましょう。
まず前半部分。
「私は、私が作家になることができるだろうとは今まで一度も想像しなかった。」
続いて後半部分。
「なぜなら、それまでに誰も私にそんなことを言わなかったからだ。」
ご参考までに、上の英文を読んだ声を録音してみました。
→音声サンプル
後半、ちょっと早くなってしまいましたが、iphoneの「siri」に聞き取らせたら正しく文字に起こせましたのでネイティブが聞き取るには全く問題ありません。
このサンプルと同じくらいとまでいかなくても、スラスラと、なめらかに、それでいて正しく言えるようになるには、おそらく、かなり英語ができる人でも数回は練習が必要と思われます。
あまり英語に自信のない人の場合だと、おそらく、数十回では全然足りず、数百回は繰り返し練習しなくてはならないかもしれません。
サンプルの発音は速いですが、これをゆっくりにして、自分の口と舌が回る程度にまでスピードを落とし、正確に、太極拳のようになめらかに言えるように練習すると良いでしょう。
とにかく、「目を離さず、口が軽くなるまで、何度も繰り返す」ということを徹底して実践した後で、ようやく「暗唱」の2文字が見えてくるのです。
人間、繰り返したことは必ず身につきます。
逆に言えば、「繰り返さないことは決して身につかない」のです。
歌を覚えるときもきっと同じでしょう。
1.歌詞カードを見て、何度も聞く。
2.そのうち、歌詞カードを見て、一緒に歌ってみる。
3.何度も歌詞カードを見ているうちに、見ないで歌えるようになる。
このように「文字を見て言う」という部分をきちんと丁寧に繰り返しておけば、暗唱は自然とやってくるものなのです。
「暗唱」のためには、ひたすら「音読を繰り返す」ということが絶対的に必要なのです。
是非、お試しあれ。
※サンプルのような発音を目指したい方や、自分の発音が正しいか自信のない方は、本校の発音レッスンの「無料体験」を是非ご利用下さい。