理解に時間がかかってしまう人達の共通点
中学生や高校生の中には、それなりの時間を費やして勉強しているにも関わらず、なかなか内容を理解できずに苦しんでいる人がいる。これは英語だけの話ではないし、また学生だけの話でもない。大人であっても、仕事や人とのコミュニケーションなどにおいて、「何かを理解するのに、他の人よりもやたら時間がかかってしまう」という人がいる。
絶対とは言わないが、このような人達に共通しているのは、「複数の道筋で考える力が不足していること」だろう。
日頃から「複数の道筋」を持つように意識しながら物事を考える人は、「複数の答え」に辿り着き、その都度、その中から「一番良い答えを選ぶ」ということを実践している。結果的に「正解」に辿り着くのも早いし、理解も早い。
一方、「1つの道筋のみ」で考える癖を持っている人は、ある事柄について考え、「1つの答え」に辿り着くと、それ以外の答えを得ることができない。1つの道筋でしか考えられないため、何度考え直しても「同じ答え」にしかならないのだ。それが「正解」であれば良いが、そうではない場合には、いつまでも「正解」に辿り着けない。これが「理解に時間がかかってしまう原因」と言える。
複数の道筋で考えられるようになるためには、「自分が得た答えを疑う」ということが何より重要である。しかし、1つの道筋だけで考えてしまう人ほど、「疑う」ということをあまりしない。むしろ「人のいい、素直な人」であることが多い。「素直であること」は、「疑うこと」とは真逆の性質である。
このような性質を自分で見極め、自分だけで改善していくことは至難の業であるが、本校のレッスンでは、まさにこの点を追求する。指摘される人にとっては心地の良い話ではないだろうが、この点に触れないままでいれば、何を理解するにも「時間がかかってしまう」ままとなる。英語だろうと何だろうと、「複数の道筋で考える力」を鍛えれば、より短時間で正解に到達し、素早く理解できるようになるだろう。
(久末)