日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。

それをご紹介していくシリーズの「005」番です。

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005:「プライベート」

「個人の」「個人的な」という意味で使われる「プライベート」という言葉。

これも、英語ではこのままの発音では「ん?」という顔をされてしまうことでしょう。

英語では「private」と書かれます。

日本語でこれを「プライベート」と発音するようになったのは、最後にある「-ate」の部分の「a」は「エイ」と発音されるのだろうと勘違いされたことが原因と思われます。

確かに、単語の最後に「…ate」とあるものは、「a」の文字の部分が[ei]という音になる場合があります。(まあ、それでも「エー」ではありませんが…。)

「a」という文字が[ei]という発音になる場合については、過去記事で書きました。(記事はこちら。)

しかし、「private」という単語を発音記号で書くなら、

[ˈpraivət] あるいは [ˈpraivit]

となります。

つまり、最後の「ate」の「a」の文字は、[ei]ではなく[ə]あるいは[i]という音になります。

このようなパターンになるのは、語尾が「-ate」であっても、それよりも前にある「別の母音」にアクセントが置かれる場合がほとんどです。

「private」の場合は、前に置かれている「i」の文字の[ai]という音にアクセントが置かれます。

このため、後ろの「a」の文字は[ei]ではなく、[ə]あるいは[i]という音になるのです。

では、[ə]というのはどういう音でしょうか?

通常、[ə]という音は「あいまい母音」と呼ばれ、聞き方によっては「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」のどれにも聞こえてしまうものなのです。

実際、発音するネイティブも、すべて一律同じ音で[ə]を発音するわけではありません。

詳しい解説は省きますが、こういう場合の「a」という文字に対応する[ə]という音は、たいてい、日本語の「エ」や「イ」に近い音となります。

個人的には「イ」に寄せた感じの音の方が良いと私は思っています。

事実、この単語の[ə]の部分が[i]となっている辞書もあるのです。

まとめると、「private」という単語の発音は、日本語のカタカナで敢えて表記するなら、「pライヴィッt」という感じになります。

日本語との大きな違いは「ベー」の部分が「ヴィ」という短い音になる、という点です。

さらにアクセントは、日本語では「ベー」の部分がやや「高め」に発音されますが、英語では最初の「ライ」のところに置かれ、その後ろは「低く」発音されます。

その前にある「p」の音は、日本語で「プ」と声に出すところを「ひそひそ声」にして発音すると良いでしょう。「ひそひそ声」にすると「声帯」が震えませんので、自分の喉を触りながら確認してみましょう。

他にも「r」の文字のところは[r]の音にしなくてはならない、「v」の文字のところは[v]の音にしなくてはならない、などの問題もありますが、最も注意すべきは「ベー」を「ヴィ」にする、という点です。

是非、声に出して、練習してみて下さい!

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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!