中学生や高校生を指導していて、とても気になることがあります。

それは、「親がしっかりするほど子供の自主性が育たない」のではないか、ということです。

最近、本当にしっかりした親御さんが多く、本校への問い合わせの時にも理路整然としたメールを書かれる方がたくさんいらっしゃいます。

ところが、その一方で、そうしたしっかりした親御さんのお子さん達を見てみると、「自分で考える」とか「自分で判断する」ということが苦手だ、というケースが多いように思うのです。

 

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「より深く考え、より適切な判断をする」という点で言えば、子供よりも親の方が優れていても当然だろうと思います。

なので、しっかりした親ほど、子供に考えさせたり判断をさせたりするよりも、親自身が考えて判断する方が良い、と考えてしまいがちです。その方が「良い結果」になるだろうと信じているからです。

子供に考えさせたり判断させたりすると、良い結果を生まないどころか、おそらく「失敗」したり「悪い結果」になったりする可能性があります。

愛するわが子には、なるべく失敗して欲しくないし、悪い結果になってほしくない、というのが親心だろうと思います。

しかし、自分で考え、自分で判断することは、練習すれば上手になっていくものです。

考えたり判断することが今は未熟な子供であっても、そのための練習をしていけば、必ず上手になっていくはずです。

いつまでも親自身が自分で考えたり判断したりしてしまうと、子供が自分で考えたり判断したりする練習の機会を奪ってしまうことになります。

つまり、親がしっかりするほど、子供の「考える力」や「判断する力」が伸び悩んでしまうということになります。

賢明な親ならば、そこまでのことを考慮し、親自身が考えたり判断したことで得た答えをそのまま子供に伝えるようなことはしません。

親自身が得た答えはグッと飲み込んで、さあ、今度は子供自身に考えさせたり、判断させたりしてみましょう。

子供が出した答えは未熟なものかもしれませんが、それによって「失敗」したり「悪い結果」を経験しながら、子供は考え方や判断の仕方を練習していくのです。

親はその様子を我慢して見守る必要があります。
特に、中学校に入った頃からの我慢が必要です。

中学生にもなれば、自分で考えたり、自分で判断したりする力は十分についていきます。

ところが中学校に入った後も、さらには高校生になってからも、いつまでも子供に代わって親自身が考えたり判断したりし続けてしまうと、子供はいつまでも自主性を持たないままでしょう。

子供の自主性を育てることができる親こそ、真の意味でしっかりした親なのかもしれません。