「時間をうまく使う方法」について考えていくこのテーマ。

前にも書きましたが、1つの仕事をこなす際に、「完成度」をどこまで求めていくかによって、「時間」をうまく使えるかどうかも違ってきます。

「仕事」とは、何かしらの「形を残すこと」あるいは「何かをアウトプットすること」と言えます。

時間をうまく使う人と、そうでない人を比べてみると、「アウトプット」の際の「完成度」に対する考え方が大きく違っていることに気がつきます。

仕事の完成度は、常に、どの仕事も一律「100%でなければならない」などということはありません。

さらに言えば、「間違えたって、後で修正して対処できれば良い」という仕事もあるはずです。

もちろん、職種にもよりますが、それでも「全ての仕事の完成度が100%でなくてはならない」という仕事は、よほど特殊な仕事なはずです。

宇宙船や飛行機のパイロット、危険物の取り扱いをする人、医療の現場に携わる人など、「1つのミスも許されない」という状況ならば話は別です。

しかし、一般的な仕事であるなら、たいていは「100%でなくても良い」という仕事があるはずですし、また「間違えても、後で対処すれば問題ない」という仕事もあるはずです。

ところが、同じ職場で、同じような仕事をしていても、

「完璧でなくても、どんどんアウトプットしていこう」というスタイルの人と、
「完璧に、慎重にアウトプットしていこう」というスタイルの人

に分かれます。

もちろん、全ての仕事を同じスタイルで進めるべきではありません。

仕事によって、「これはどんどんアウトプットしよう」とか「これは慎重にアウトプットしよう」というように「この仕事はどちら寄りなのか?」を適切に判断していくことが重要なのは言うまでもありません。

万事が全て「完璧でなくても良い」と思っている人は、スピードは早いものの、ミスも多く、後での処理や対処が多くなってしまいます。

逆に、万事が全て「完璧に、慎重に」と思っている人は、ミスは少ないかもしれませんが、アウトプットされる仕事の「数」や「量」は非常に少なくなってしまい、時間もかかります。

この見極めはとても難しいのですが、一般的には「仕事ができる人」ほど、前者のスタイル、つまり「完璧でなくても良い」という感覚を持ち合わせているのではないかと個人的に思います。

仕事ができる人は「アウトプットをすること」に重点を置くため、「荒削りでも良いから、とにかく形にする」ということを基本としていることが多いように思われます。

まずは「荒削りな形」で全体をいったんアウトプットしてから、「細かい部分」の調整は後でやる、ということです。

もちろん、全ての仕事がこの調子ではいけないのは当然ですが、それでも、このスタイルは「時間をうまく使う」という観点からは非常に重要な要素と言えます。

この話は、「時間をうまく使う方法(9)」でも書きました。(記事はこちら。)

一方、「全てが完璧になったことを確認してからようやく1つの形をアウトプットする」というスタイルを貫いている人は、たいてい時間をうまく使えるようにはなりません。

それどころか、もしかしたら「完璧になる」という状況にまでたどり着けないこともあるかもしれません。

完璧を求める人ほど、完璧に到達しない。

それはどういうことでしょうか。

続きはまた次回!

<続く>