<前回の続き>

(「発音美人になりましょう!」の記事一覧はこちら。)

 

英語の発音美人になるためには、「自分の発音をよく聞きながら練習する」ということがとても大切です。

しかし、言うは易く行うは難し、というもので、これがうまくできない人もたくさんいます。

これは一体、どういうことなのでしょうか。

 

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「発音する」という行為は、言うなれば「アウトプット」の行為ということになります。

一方、「聞く」という行為は、「インプット」の行為と言えます。

「発音しながら、自分の発音を聞く」ということは、「アウトプットしながらインプットする」というように、「2つ」の事柄を同時に頭の中で処理するということです。

「アウトプット」と「インプット」を比べると、アウトプットの方が、インプットよりも「難しい」と言えます。

これは発音に限った話ではなく、インプットすることができるようになることよりも、アウトプットすることができるようになることの方が、遥かに難しく、レベルの高いことです。

例えば、ある漢字が「読めるようになる」よりも、「書けるようになる」という方が難しいということです。

 

「発音しながら、自分の発音を聞く」ということをやろうとすると、人間の頭の中では、より難しい「アウトプット」の方、つまりは「発音する」という方に意識が向いてしまいます。

つまり、同時に行うべき「聞く(インプットする)」ということが、どこかおろそかとなってしまうのです。

するとどうなるでしょうか?

 

本校の生徒で、「L」の発音を練習している人がいたとします。

試しに、教師が「良いLの発音」と「悪いLの発音」をランダムに発音してみせ、生徒がその都度「良いです」あるいは「悪いです」と評価していくことにします。

仮に、その生徒がほぼ100%の確率で「良い」と「悪い」を聞き分けられたとしましょう。

これを踏まえ、今度は、その生徒自身が、自分で「良いLの発音」を実際にやってみます。

しかし、この生徒が、「自分の音を聞く」ということがおろそかになってしまっている場合、「自分の発音が、良かったのか、悪かったのか、区別がつかない」という状況に陥ります。

「他人が発音したものついては善し悪しが分かるのに、自分の発音については善し悪しが分からない」のです。

これは、「善し悪しを区別する能力がない」ということではありません。

善し悪しを区別する能力はある」のですが、自分自身が発音しているときには、「発音すること(アウトプットすること)」に意識がほとんど向いてしまっているので、「自分の発音を聞くこと(インプットすること)」には意識が向いていないということなのです。

このような状況に陥ってしまう人は、かなりの数います。

「自分の発音を聞くことができないなんて、そんな馬鹿な話があるか」と疑う方もいらっしゃるかもしれませんが、本校に通う生徒のうち、およそ半分はそのような状態に陥ってしまいます。

こういうのは自分の意識を「コントロールする」ことで解決するしかありません。

「発音する(アウトプット)」と「聞く(インプット)」の2つの行為に対する割合が、「発音する=80%」で「聞く=20%」という程度では、おそらく自分の発音の善し悪しを区別することができません。

むしろ、「聞く」の方の割合を高め、「聞く=90%」で「発音する=10%」くらいの気持ちで臨む必要があります。

そして、「自分の発音を自分で聞き、自分の発音の善し悪しについて、自分で評価することができる」ようになれば、あとは、どんどん練習していけば良いのです。

発音美人への道のりは、「自分の頭の中」をコントロールすることから始まるのです。

 

<続く>

 


 

本校では、発音しながら「自分の耳で確認する」のがどういうことかを丁寧に説明しながらトレーニングを行っています。

興味のある方は、是非お気軽にお問い合わせください。

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