よく、文法書や辞書などで「would」と「used to」の違いについての説明が書かれています。

どちらも「過去の習慣」を表すものとして説明されていますが、これが大変分かりづらい。

今日は、「would」と「used to」の違いについて、一歩踏み込んで考えてみましょう。

 

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文法書や辞書では、「would」と「used to」のどちらも「過去の習慣」として扱われています。

A: My mother   would     read a story book to me.
B: My mother   used to   read a story book to me.

確かに、どちらも「過去の習慣」というように解釈されてしまいそうですが、「習慣」という言葉にしてしまうと、両者の違いがよくわからなくなってしまいます。

そこで、以下のように区別すると良いでしょう。

「would」・・・「習慣」ではなく「回想」を表す。「特定の個人」を思い浮かべながら、その人物が行った「行為」や「出来事」を振り返って表現する場合に「would」が使われる。「そういうことをする人だった」という意味になる。

「used to」・・・「習慣」ではなく「もう既に終わった過去のこと」を表す。「今はもう違っている」ということを表し、「過去においてはそうだった」ということを表す場合に「used to」が使われる。「前まではしていたけれど、今はもうしていない」という意味になる。

これを踏まえて、もう一度、上の2つの文を見比べてみましょう。
A: My mother   would     read a story book to me.
B: My mother   used to   read a story book to me.

まず、「A」は「would」が使われているので、この文は、
「私の母は、私に本を読み聞かせてくれたものだった。(→そういうことをする人だった)」という意味になります。

つまり、「A」では「私の母」という人物のことを「回想」しているのです。

しかし、「B」は違います。

「B」は「used to」が使われているので、この文は、
「私の母は、以前は私に本を読み聞かせてくれた。(→しかし、今はしていない)」という意味になります。

つまり「B」は、「もう既に終わった過去のこと」であるということを暗に伝えていることになります。

 

「would」の方は、「行為」や「出来事」について「回想」する場合に使われる表現ですので、「状態を表す動詞」を使って表現することはできません。

「状態を表す動詞」というのは、例えば、「have(持っている)」や「live(住んでいる)」などです。

しかし、「would」は「行為」や「出来事」について「回想」するわけですから、必ずしも「習慣」になっている必要はなく、「1回だけの行為」について述べることもできます。

例: My grandfather had a brother named Jonathan, who would die young.
「私の祖父にはジョナサンという名前の弟がいたが、彼は若くして亡くなった。」

この例のように、「die(死ぬ)」という行為は何度も繰り返すことができません。

たった1度きりであっても、そのことを「回想」のように振り返るような場合に「would」が使われるのです。

 

一方、「used to」は、「have」や「live」などの「状態を表す動詞」についても述べることができます。

「もう既に終わった過去のこと」を表すわけですから、それが「状態」であっても良いのです。

例: My grandfather used to live in New Zealand.
「私の祖父は、以前はニュージーランドに住んでいた(が、今は住んでいない)。」

 

このように、「would」は「回想」を表し、「used to」は「もう既に終わった過去のこと」を表す、というように理解しておけば、多くの文脈で区別が容易となることでしょう。

是非、覚えておいてくださいね。

 

<続く>

 

 


 

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