<前回の続き>

(『誰でも「できる人」になれる!』シリーズの記事一覧はこちら。)

 

人が何かを身につけようと思うならば、「インプット」をした後で、必ず「アウトプット」をしなくてはなりません。

英語の発音ならば、「聞くだけ」ではダメで、聞いた後には必ず「マネして発音してみる」という行為が必要です。

文法も同様で、「理解した」だけではダメで、理解した文法を使って「英文を作ってみる」という行為をすべきなのです。

「インプット」と「アウトプット」を交互に繰り返していくと、人は、そのことに関してどんどん身につけていきます。

しかし、「アウトプット」の時にはちょっとした意識が必要です。

今日はその辺りについて考えてみましょう。

 

<アメブロからの続きはここから>

 

何を身につけるにも、まずは「お手本」をよく観察することが大事です。

絵が上手になりたければ、描きたいものをよく観察しなくてはなりません。

例えば、「花」の絵を描こうとするならば、花をよく見るはずですね。

しかし、見ているだけでは絵は描けません。

実際に手を動かし、ペンなり筆なりを動かさなくてはなりません。

つまり「観察する」ということが「インプットする」ということならば、「実践する」ということが「アウトプットする」ということになります。

このように、どのようなことをするにも、「インプット」と「アウトプット」を繰り返す必要があります。

ところが、「アウトプット」が上手な人もいれば、あまり上手でない人もいます。

すぐにお手本通りにやれる人もいれば、なかなかお手本に近づいていかないという人もいるのです。

 

アウトプットが上手な人たちには、どうやら共通点があるようです。

そのうちの1つに、「作業そのものはゆっくりだが、細かく丁寧である」という特徴が見られます。

逆に、アウトプットが上手でない人達は、「作業は速いが、大まかで雑である」という印象を受けます。

作業そのもののスピードだけを見ると、素早く作業をする人の方がお手本に近づくのも早いと思ってしまいますが、実はその逆であることの方が多いように思います。

「作業そのものはゆっくり、丁寧」という方が、もっと長い時間で見てみると、お手本に近づくのが早いということがよくあります。

こういうのは「性格」なのでしょうか。

せっかちで、あわてんぼうで、大ざっぱな人というのは、見た目は「スピーディー」なのに、お手本に近づいていくまでには、人よりもだいぶ時間がかかってしまうのです。

私(久末)の教室で、発音の指導をしていると、このことがよく分かります。

何度繰り返し練習しても、「発音がいちいち間違っている」ということでは、キレイな発音が身につくことはありません。

だから、そういう人に必要なのは、「スピードを落とし、ゆっくりにする」ということです。

しかし、こういう人は、元々の性格のせいか、「スピードを落とす」ということ自体が苦痛になってしまうようです。

「スピードを落とす」ということができないから、なかなかお手本に近づいていかない。

大ざっぱで、適当に練習する、ということが当たり前になってしまっているのです。

その反対で、「ゆっくり、丁寧にやる」ということを心懸けて実践することができる人は、お手本に近づくのが本当に早いのです。

 

「お手本を見て(インプットして)、自分で実際にやってみる(アウトプットしてみる)」ということを繰り返すのは良いことですが、肝心のアウトプットがいい加減では時間がかかってしまいます。

自分の性格が「せっかち」や「あわてんぼう」だという自覚がある人は、相当意識しながら「ゆっくり、丁寧にやる」ということを実践してみることをお薦めします。

それを意識するだけでも、お手本に近づくのが早まるかもしれません。

 

<続く>