「人に嘘をつく」は、英語では「lie to+人」「tell+人+a lie」「tell a lie to+人」のように表現されます。

1つ目の「lie to+人」という表現は、「lie」が「嘘をつく」という動詞であり、「to+人」の部分が「人に」という意味となります。

2つ目と3つ目の表現では、「tell」が「言う」という意味の「動詞」です。

そして、「tell」の後ろに置かれる「a lie」は「嘘」という意味の「名詞」です。

「人に」を表す部分は、「a lie」よりも先に置く場合はそのまま「人」を表す言葉を置けば良いのですが、「a lie」よりも後ろに置く場合は「to」という前置詞をつけてから「to+人」という形にしなくてはなりません。

例えば、「彼は私に嘘をついた。」ということを言いたいならば、以下の3通りの文が考えられます。

1. He lied to me.
2. He told me a lie.
3. He told a lie to me.

まず、「lie」という言葉を「動詞」として使っているのが1番目で、2番目と3番目では「lie」を「名詞」として使っている、ということを理解しましょう。

なお、2番目と3番目では、次のような微妙な違いがあります。

2番目では、「me」よりも「a lie」の方が「後ろ」に置かれています。

英語では、「後ろ」に置かれた言葉の方が「強調される」という傾向があります。

「強調される」というのは、つまり「他の言葉ではなく、その言葉なのだ」ということを言いたいということです。

2番目の例では「me」よりも「a lie」の方が後ろに置かれていますので、「a story(物語)」や「the truth(真実)」といった他のものではなく、「a lie(嘘)」を言ったのだ、ということが強調されています。

一方、3番目の例では、「a lie」よりも「to me」という部分が「後ろ」に置かれています。

つまり、「to Nancy(ナンシーに)」や「to his mother(彼のお母さんに)」ではなく、「私」に向かって嘘をついたのだ、ということが強調されているのです。

 

なお、「人に」という表現を添えず、単に「嘘をつく」と言いたい場合には、単に「lie(嘘をつく)」という動詞1語で表現するか、あるいは「tell a lie」のように表現するか、どちらかを使えば良いでしょう。