「思い出す」は、英語では「remember」「recall」「recollect」という語で表現されます。
また「思い出させる」は「remind」という語で表現されます。

いずれも「再び」の意を表す接頭辞「re-」がついていますが、「recollect」のみ「re」の部分は[re](レ)という発音になり、それ以外の言葉の「re」の部分は[ri](リ)という発音になります。

 

「remember」は、「思い出す」の意では最も一般的に使われる語ですが、一方で「覚えている」や「覚えておく」という「状態」の意で使われる場合もあります。

「recall」は、「re(再び)」と「call(呼ぶ)」が合わさった語で、頭の中の記憶の群れから、何かの情報を「もう一度集める」というイメージで「思い出す」という場合に使われます。

「recollect」は、 「re(再び)」と「collect(集める)」が合わさった語で、頭の中の記憶の群れから、何かを「もう一度呼び起こす」というイメージで「思い出す」という場合に使われます。

「recall」と「recollect」は似ていますが、一般的に「remember」よりも「recall」の方が堅い表現で、「recollect」はさらに堅い表現であると言われています。

ちなみに、「recollect」の最初の「re」の部分は、上述したように[re](レ)という発音になるのですが、「思い出す」ではなく、文字通り「もう一度集める」と言いたい場合には、「re」の部分は[riː](リー)という発音になり、意味によって発音が異なります。

例1: I could not remember his name at that time.
「私はその時、彼の名前を思い出すことができなかった。」
(この文の「remember」は「思い出す」の意なので、「remember」を「recall」や「recollect」に置き換えても良い。)

例2: Do you remember how many bottles of beer we bought?
「あなたは私達が何本のビールを買ったのかを覚えていますか?」
(この文の「remember」は「覚えている」という状態を表しているので、「recall」や「recollect」に置き換えることはできない。)

「remind」は「思い出す」ではなく、「(人に)思い出させる」という意味になります。通例、目的語に「人」を表す語が置かれ、その後ろには「of+思い出させる内容」が置かれます。
つまり、「remind+人+of 〜」で、「人に〜を思い出させる」となります。

例3: You remind me of your father.
「君は私に君のお父さんのことを思い出させる。」
(この文を「君を見ていると、私は君のお父さんのことを思い出す。」という日本語に訳している辞書などがあるが、このような和訳は英語の構造とは大きく異なるため、英語の初期学習者にとっては好ましくない。)