「始まる」や「始まる」は、英語では「begin」「start」「get started」などのように表現されます。

まず、「begin」と「start」を比べて見ましょう。2つともほとんど同義で使われますが、以下のような違いがあります。

 

「begin」は、「静から動へ転じる瞬間」の部分に視点が置かれて「始まる」や「始める」の意を表します。つまり、「begin」では「動作の開始の瞬間」の意味合いが強く表されます。

 

一方、「start」は、「開始した後で、流れに乗る」というイメージで使われます。従って、「start」には「開始+動作の継続」といった意味合いが含まれます。

 

「begin」は多くの場合「start」に置き換えることができます。しかし、「start」の表現を「begin」に置き換えることができないケースはたくさんあります。

例えば、「電車が発進する」と言いたい場合には「start」は使えますが、「begin」は使えません。また「目的地に向けて出発する」という場合も「start」は使えますが、「begin」は使えません。これらはいずれも「開始+動作の継続」の意が含まれるためだと考えられます。

また、「機械を作動させる」という場合にも「start」が使われ、「begin」は使われません。さらに「ビジネスを始める」という場合も「start」が普通であり、「begin」は比較的稀です。

「開始+動作の継続」のイメージを含めたい場合には「start」が使われる、というように覚えておけば問題ないでしょう。

逆に「begin」は「動作の開始の瞬間」を表しますので、「始まり」という名詞として使いたい場合には「starting」ではなく「beginning」が使われます。

 

ちなみに、「begin」の反対語は「end」で、「start」の反対語は「stop」であると言われています。

 

さらに「start」を使った表現で、「get started」というものがあります。「get」というのは「状態の変化」を表し、「〜の状態になる」という意味で使われます。そして「started」というのは「start」の過去分詞であり、「startという動作が完了した状態」を表します。つまり「start」が持つ「開始+動作の継続」のうち、「始まった後で、動作が継続している状態」を表します。このことから、「get started」は「物事に取りかかる」や「仕事を始める」という場合に使われます。この表現は、通例、「用意ができていないので始めることができない」という状態が続いていたような場合に使われます。